「プロデューサーズ」

カテゴリー │映画・演劇・その他

 トニー賞12部門を受賞したミュージカルを映画化した「プロデューサーズ」を観てきました。
 ミュージカルについてはほとんどわからないのですが、歌もダンスも上手いものでした。劇中歌の歌詞にもあったけど、ミュージカルは楽しくなくては、と思った次第です。

 でもね。なんちゅーかね。
 すべりまくりのギャグ、記号をなぞっただけの演技、ちょっとこれはね……。

 以前ニューヨークへ行ったときに、ブロードウェイのミュージカルを観なかったことが悔やまれます。というのは、ブロードウェイミュージカルの演技の「文脈」がよくわからないのです。
 たとえば、演劇の演技とテレビドラマの演技は、上手さが全く異なります(といっても、偉そうなことを言えるほど観ているわけではないので、専門の方は、素人の感想だと思って読み飛ばしてください)。
 新劇やミュージカルの俳優がテレビに出ると、テレビドラマを見慣れた人は「クサイ」とか「わざとらしい」とか「大袈裟だ」とか思います(市村正親や鹿賀丈史あたりを思い浮かべてください)。でも、それが演劇における上手さです。
 逆に、テレビドラマで人気の俳優が舞台に上がると、とても見てはいられないなんてこともよくあります。
 (ちなみに、ラジオドラマやアニメーションは演劇の演技手法に近いです)

 一応 ミュージカル映画も、他のアメリカ映画も、話題になったテレビドラマも、それなりに観ているつもりなので(「24-TWENTY FOUR」は一度観ただけでやめちゃったけど)、演劇の演技、映画の演技、テレビでの演技の違いは押さえているつもりです。
 もし、ブロードウェイでミュージカルを観ていて、「これが本場のミュージカルの演技だ」というものがわかっていれば、この映画の見方も少しは変わったかもしれません。「映画では不自然だけれど、ミュージカル映画だからこれでいいんだ」と。

 でもね、でもね……。
 俳優はいいんですよ。よかったのですよ。でもね……。

 始まって10分も経たないうちに席を立ちたくなった映画は久しぶりでした。


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