「直截」

カテゴリー │書籍・雑誌

 書評誌ランキング1位との惹句に、思わず手が伸びてしまった小説を読了しました。
 版元は大手出版社の関連会社で、アニメ・マンガ・ゲームなどとのメディア・ミックスを得意としているところのようです。
 この著者もライトノベルを書いているらしく、この小説もそのままマンガの原作にできるようなものでした。

 舞台も発想も目の付け所がよく、戦闘の場面では臨場感がある描写が続き、クライマックスの攻防では緊迫感がよく出ていました。たぶん、戦争ものが好きな著者なのではないかと想像しました。他にも舞台となった業界についてよく調べてあるなと感心しました。
 荒唐無稽な近未来のフィクション小説でありながら、現代の日本社会にリアルに忍び寄る大テーマが根底にあり、それでいて軽くて面白く読めたのですが、どうも細部の表現が杜撰で……。

 最近は小説でもマンガでも強迫的なまでにディティールにこだわる読者が非常に多くなり、私はそういう読み方とは一線を画したいと思っているのですが……。

 地の文が会話口調の文体や語彙を用いて書かれていても、別にいいんですよ。
 茨城で生まれて東京で働く主人公や同僚が、関西人の言い回しで会話してても、気にしませんから。
 「、」の後で特に意図もなく改行になっていても、かまいませんよ、それが何ヶ所もあっても。

 でもね、

 どうしても見逃せなかったのが、

 なんで「直截」にわざわざ「ちょくさい」ってルビ振っちゃったの?

 この話、続くかもしれません。


 

事故った!

カテゴリー │快適自転車ライフ

 愛車のクロスバイク(自転車)で国道一号線を疾走。自転車とはいっても原付並みのスピードも出る高性能のものです。
 
 車がビュンビュン飛ばしていきます。トレーラーやダンプカーのような大型車も走っていきます。
 怖いので道路の極力左側、路肩あたりを走っていました。

 そしたら並走していた大型トラックがいきなり幅寄せしてきて、こっちは避けるためによりさらに左に。
 そんで道路脇の生け垣に突っ込み、高速で走っていたスポーツ用自転車を制御できるわけもなく、バランス崩してガラガラグッシャーン。
 ダーンと車道に叩きつけられました。

 後続車がいたら、私、今ごろこの世にいなかったよ、マジで。
 SBSテレビ夕刊のトップニュースになってましたよ。
 ウチから初盆を出すところでしたよ。
 檀家さんに江原啓之の本を配るようなお坊さんに高い金払って戒名付けられてお経を読まれる破目になるとこでしたよ(本館トップページ参照)。


 

ボツ原稿抄録

カテゴリー │インターネット

 このブログのアクセス解析結果を見ると、「在日」に加えて著名人の名前やジャンル(「プロレス」や「芸能」など)で検索して訪問する人が相当数いる。大半が著名人の出自を知ることを目的としていることは明らかだ。
 いくつもの自治体や業界団体が差別につながる身元調査を禁止する条例や内部規則を定めているにもかかわらず、いまだになくならない。部落問題について詳しいフリーライター角岡伸彦氏が大手調査会社にインタビューしたところによると、その会社だけで500から1000件の依頼があり、業界全体では少なくともその3倍はあるだろうと答えている。なお、その会社では部落差別につながる調査はすべて断っている(『被差別部落の青春』講談社文庫)。

 ネットの検索エンジンで著名人の出自を調べる人は、自分がやっていることは人権侵害だと思っていないだろう。著名人のプライバシーを調べたところで、結婚や就職など一般の人の生活には影響はない。昨今の韓国・北朝鮮バッシングに乗せられてアングラ情報を知りたいという興味本位からのものだろう。大手芸能プロダクションがマスメディアにどのような圧力をかけているかをアイドルマニアが知りたいとか、社会保険庁の職員が立場を利用して芸能人などの年金データを覗き見していたとか、それと同程度の好奇心から行った行為だろう。
 しかし、どこで生まれたかとか、国籍とかは、芸能界の裏事情とは本質的に異なる。その違いがわからないのならば人として軽蔑せざるを得ないし、わかっていてやったのならば、下卑たる欲求を抑えられない、精神的に弱い人物である。
 そういう人が、このちっぽけなブログにも少なからず訪れる。ネットユーザー全体ならばいかほどであろうか。

 やや下火になったが、「Web2.0」という言葉が今年前半に話題になった。テクノロジーの進化・発展にともない、これまで情報供給を独占していたプロフェッショナルやエスタブリッシュメントに代わり、不特定多数のユーザーがウェブ上に情報を流すことで情報や社会の変革を引き起こす、というものらしい。ベストセラーになった梅田望夫氏の『ウェブ進化論』(ちくま新書)ではGoogleやブログ、オープンソースによるネット上の百科事典などが例に挙げられている。
 しかし、検索エンジンのアルゴリズムを作るのも、ブログやWikipediaやユーザーレビューを書くのも、生身の人間である。その人間が下劣であらば、当然、出来上がったものも下劣なものになる。
 事実、ネット書店では言いがかりとしか思えない手法で他国民を貶めるマンガがベストセラーになった。これも従来のリアル書店ならば考えられない「ロングテール現象」によるものである。また、オープンソースにより作られたあるサイトには在日韓国・朝鮮人の著名人のリストがある。「Web2.0」信奉者は、こういった現象が広がることを望んでいるのだろうか。

 ネットなど影も形もなかった頃、文豪夏目漱石は、『こころ』で、「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」と喝破した。
 それから90年以上が経つ。テクノロジーはかつて考えられないほどに進化した。しかし、それを駆使する人は、何も変わっていない。「精神的に向上心のないもの」がどんな技術で何を作ろうが、でき上がったものは「精神的に向上心のない2.0」としか呼びようのないものなのである。
・ ・ ・ ・ ・ ・ 
 といったものを私なりの言葉で書こうとしたのですが、手違いで消してしまったのですね。
 もったいないことをしたものです。


 

ええ、ただの愚痴です

カテゴリー │インターネット

 本館「芸能問題総合研究所」のサイト、新しく書いたページを手違いで全部消してしまいました。
 全部完成してたのにー!
 うわーん!!!
 仕方がないのでトップページだけ夏らしい装いにしました。

 今ではプロの学者でブログをされる方も多くなってきたのですが、学会誌に寄稿するときには、軽いエッセイでも相当に力を入れて書かれるはずです。
 構想もたっぷり練り、何冊もの資料を用い、正確さの裏取りをするため図書館に通って調べたり、と。ひとつひとつの語句でも慎重に吟味するでしょう。
 今回私が用意した文章もそうでした。レベルはともあれ、「Web2.0」の根本的な脆弱性について、アマチュアとはいえ芸能研究者の立場から論じたものです。『ウェブ進化論』が話題になる前からずっと引っかかっていた疑問を、私なりに意地悪な視点から形にしたものです。
 もう、マジでショックです。かなりいいものだったのに。

 ちょっと立ち直れそうもないので、この話題は忘れて別のものに取り組みたいと思います。
 また更新が一ヵ月伸びるかもしれませんが、なんとかやりますのでもうちょっとお待ちください。

 シクシク(T_T)……。


 

「田宮俊作展」に行ってきた

カテゴリー │静岡の話題

 男ならば誰もがメカに憧れるものです。
 ましてや、憧れのメカが手軽な値段で身近に作れるプラモデルは、だれしも一度は熱中したことでしょう。

 そこのお父さん、戦艦大和や武蔵、ゼロ戦、ドイツのタイガー戦車の模型をこっそり買ってきて奥さんに眉をひそめられたことはありませんか?
 F-1やスーパーカーブームの頃、小遣いをはたいてたくさん買ったはいいけど、うまく作れずにほっぽり出して、いつの間にか親に捨てられてしまったなんてことはありませんか?
 いや、俺はバイク党だという人、ホンダCB750FやスズキGSX1100Sカタナの模型が押入れの隅にありませんか?
 私より少し下の世代なら、「ダッシュ!四駆郎」や「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」を読んでミニ四駆の改造に精を出して、さらに前ちゃんに会いたくてレースに出場した人、いませんか?

 そんな数々のプラモデルやレースカー模型を次々と送り出してきた田宮模型(現・株式会社タミヤ、本社・静岡市)社長・田宮俊作氏の展覧会を見に、浜松市美術館へ足を運んできました。

 浜松市美術館「田宮俊作展」 http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/artmuse/tamiya/tamiya.htm

 そこには目を見張るばかりの見事なプラモデルがたくさん並んでいました。
 私がうれしかったのは、F-1カーの模型でした。リッキー・ギンザーが駆ってホンダに初優勝をもたらした、日の丸がボディ描かれた葉巻型のマシンから、ロータス黄金期や「タイレル」(6輪!)のマシン、セナやベルガーが乗った名車マクラーレンMP4/5、他にも多くの模型が展示してありました。
 玄人筋のモデラーからすると甘い部分が多いでしょう。しょせん子どものおもちゃだと鼻で笑われるかもしれません。私も一万円以上する精緻な模型を見て息を飲んだこともあります。
 しかし、田宮模型は、小学生の小遣いで手が届く模型を、1960年代からずっと作り続けてきたのです。これはなかなかできるものではありません。

 他にも戦車、飛行機、軍艦などや、ラジコンカーにもちろんミニ4駆もありました。
 マニアが喜びそうなのは、製造に使われた本物の金型や、箱絵の原画やスケッチなども展示してあったことです。詳しくない私にはその価値はわかりませんが、見る人が見れば、大喜びするような代物でしょう。

 欲を言えば、模型そのものについてはいいのですが、せっかく「田宮俊作展」という名称なのだから、田宮俊作氏自身についての説明がもっと充実していればと思いました。
 会場にはF-1カーの模型一台作る際にさえ田宮氏自身が海外の自動車工房で綿密な取材する光景がプロジェクターで映し出されていましたが、そのこだわりを支える職業意識や、根底となった人生観についてもっと割いてくれれば、子どもたちを(そして少なくない大人も)魅了してきた田宮模型について、奥行きをもって理解できたでしょう。

 というわけで、売店に売られていた本を買ってしまいました。
 

 展覧会は8月10日までです。ご夫人方も何人もいらしていましたので、男女問わず、子どもも、昔の子どもも、「タミヤなんてヌルいぜ!やっぱ海洋堂のフィギュアさ」というひねくれた人も、「ワンフェス最高!今年も出品するぜ」という今が追い込みでそれどころではない人も、興味のある方はぜひどうぞ。

(追記・7月24日)
 上記の本『田宮模型の仕事』(文春文庫)読み終わりました。いや、よかった。展覧会でやや不満だった田宮俊作氏の生涯や経営理念、製品への哲学がぜんぶ入っていて満足しました。上で書いた金型や箱絵についての苦労話やこだわりについても漏らすことなく書かれていました。この本を読んでから展覧会へ行けば展示の理解度が格段に増します。ちょっとでも模型をかじったことのある人も、あまり興味のない人も、ぜひ読んでみてください。大おすすめです。


 

「体感治安」という不思議な言葉

カテゴリー │社会

 佐藤卓己『メディア社会』(岩波新書)、夏バテにも負けずに読了。佐藤氏はメディア史研究で著名な学者です。同書は新聞に連載された論評をまとめたもので、時事的な問題を主要なメディア研究と関連付けて書かれています。新聞に掲載されたものなので、学者の書物にしては平明な文体で書かれており、一項ごとの分量も短いため、普通の人でも手軽に読むことができます。メディア研究の初学者や、メディアを学べる大学に進学しようとする高校生・社会人入試の受験生にとっては主要文献の簡単な紹介としても適しています。
 私のような中途半端にメディア論をかじった者としては、一項ごとの短い文章が鋭い警句として突き刺さります。
 第Ⅰ部第1章第一項のタイトルからしてこうです。

 「メディア」は広告媒体である

 ライブドアは「IT企業」でなく「メディア企業」であり、自社社長「ホリエモン」を「広告媒体」として活用し、実体のない取引を記者会見などで「意義深い事件」に変える手法を古典的だと喝破する一方、マスメディアが同社社長をショーアップすることでライブドアの株価吊り上げなどの犯罪に「擬似イベント」として加担したことを「同じメディア企業である自らの報道姿勢に反省の目を向けるべきではないだろうか」と、ブーアスティンの『幻影の時代』を援用しつつ迫ります。
 これはまだまだ序の口。もっと濃い内容が、新書でまるまる一冊続きます。
 私がほとんど深く掘り下げずにブログに書いてきた放送局の「公共性」や「NHK番組改編問題」での朝日新聞とNHKの対立も、メディア論の視点から鋭く問題の深層をえぐっています。昨年著者が上梓した『八月十五日の神話』(ちくま新書)で仔細に分析した、「終戦記念日」の記憶が生まれた過程や忘却してきたものについてもエッセンスが凝縮されています。研究者でなくともメディアに関心がある人は、ぜひ手に取って、興味のあるところだけでも読んでみてください。ただの「マスゴミ」批判に終わらない知見が得られるはずです。

 ところで、この本には意外な言葉が登場します。「体感治安」という言葉です。


 

夏バテになりました

カテゴリー │いろいろ

 あづいよ~。
 な~んもする気が起きないよ~。

 ……といいつつも地元の祭りの準備をしてきました。
 屋台(山車のこと)を引っ張り出して虫干し&掃除です。
 あー、こんがり焼けた。

 で、今日の更新はこんだけ。すんません。
 ま、とりあえず生きてますんで。

 夏バテに注意。わたしゃすでに冷たいものを飲みすぎて調子悪いです。ハァ。


 

梅雨明け間近の火曜に

カテゴリー │快適自転車ライフ

 こんにちは。毎日暑いですね。
 そんな私は買ったばかりの愛車「ESCAPE R3」で快適に自転車ライフを満喫しています。

 昨日も遠くまで買い物に行ってきました。
 颯爽と走っていると、さっそく前輪がパンクしました。
 それはいいんですよ。スポーツタイプの自転車はパンクしやすくて、そのかわりに修理も簡単にできるので。
 初心者向けの雑誌やサイトにはかならず「予備のチューブを持っていきましょう」と書いてあるくらいですから。

 もちろん買って一ヵ月の私がタイヤ交換などできるわけもなく、少し前に通り過ぎた自転車屋さんまで自転車を押して戻っていきました。
 高速運転だとほんの数分なのですが、歩くと10分以上かかるんですね。湿度が異常に高いなか、ぜぇぜぇいいながら自転車屋さんにたどり着きました。
 出てきたのは中年の女性でした。「ウチ、これ出来んやー」って困っていました。私の自転車は空気を入れる箇所はフレンチバルブという、やや特殊なもので、普通の家庭用空気入れは使えないのです。
 「すいませんが別の自転車屋さんに行ってくれませんか?ここから歩いて10分くらいですので」

 はい、自転車を押して歩きましたよ、20分。
 雨が止んだ後の蒸し蒸しした昼下がりに、たっぷり20分。
 あのクソババア大嘘こきやがってコノヤロウなんてちっとも思わずに、せっせと歩きました。到着した自転車屋さんにはボケジジイ、いやご年配の男性がいました。
 「いま別の自転車直してるで、他の店行ってくれんかね。15分くらいで別の店あるで」

 はい、またまた20分歩きました。
 湿度が高すぎて汗も出てきません。
 どうしてこの分野に外資が参入して困った客を袖にして平気な自転車屋を根絶やしにしないのかとか、トヨタが参入したら満足に修理もできない自転車屋をカイゼンしてくれるのにとか、そんなことちーっとも思わずにトボトボ歩きました。
 途中何度かコンビニに寄ってポカリスエットやミネラルウォーターを買いました。コンビニ店頭でパンク修理サービスとかやったら儲かるのになとは思いました。

 そしてようやく到着しました。

 これで3件目です。

 こちらです。

 はい、どうぞ。

 ジャーン!



 定休日 火曜日!!!

 ああ、たっぷり歩いていい運動になった。涙も出てこねえや。

 つーかさ。

 あたしゃイトーヨーカ堂に買い物に行きたかっただけなのよ!

 どーして延べ一時間もウォーキングしなならんのよ!

 快適自転車ライフ、満喫してます。あいててて、筋肉痛が……。

 追記・4件目の自転車屋さんはとっても親切なところで、すぐに直してくれました。貴重なアドバイスももらいました。2台目はここで買おうと決意した次第です。


 

「M:I:4」を静岡に誘致する?

カテゴリー │映画・演劇・その他

 ちょいと憂鬱な日々が続いているので、映画でも観ると気分が晴れるかなーと思って、無理矢理映画館に行ってきました。
 難しい題材のものよりは、カラッとすがすがしいアクション映画がいいだろう、ということで、話題の「M:I:3」を観てきました。
 面白かったのですが、悩み事が頭からずっと離れずにいたので俳優のアクションに見とれているだけでした。
 「うわー」「すげー」「あれCGかな?スタントだったらすごいなー」「でもどうしてトム・クルーズが国際通貨基金で働いてるんだ?」とか。
 (注・劇中でトム・クルーズら俳優は「IMF」という組織でスパイ活動をしています。「国際通貨基金」〈International Monetary Fund〉とはもちろん無関係です)
 ああ、なんて間抜けな感想なんだ。これが仮にも芸能研究家を名乗る(あくまで自称です)者の書く感想か?映像だけでなくエピソードにもいいところはあったのですが、全然引っかかってこなかったのです。ひとえに私の感受性が鈍っていたせいです。
 でも、アクションを楽しむだけでもよかったですよ。前作がちょっと・・・、だったので汚名返上できたかな、と思いました。

 中でも見所は、上海が舞台のひとつになってることです。
 上海といえば、中国の中でも経済発展の著しい都市で、工業や金融でアジア有数の地域となるといわれています。行ったことはないのですが、新聞や雑誌やマンガの「島耕作」シリーズで読んだ限り、日本の経済的優位を脅かすほどの発展を遂げているというイメージがあります。
 ところがですね、映画に登場する上海は、超高層ビルだけではないのですね。特務機関に勤務する人やエリートビジネスマンではない普通の人が住み、商売を営み、ブラブラ散歩し、メシを食っているところもちゃんと映るんですね。町並みやエキストラの人が日本と似ていて、そこでアクションが行われるので、なんだか奇妙で、それでいてうれしく思ってしまったのです。

 それと同時に悔しかったのが、映画の舞台ではついに中国に追い抜かれてしまったという思いがあったことです。ハリウッド資本さえ日本より中国を選んだのか、と。
 本当のところは日本も舞台の候補に上がっていたのですが、イメージに合わないため上海になったそうです。
 外国映画で日本が舞台になったところは、私が思い浮かぶのは「ブレードランナー」か「ロスト・イン・トランスレーション」くらいです(他にもあったら教えてください)。もうちょっと日本が映画に描かれてもいいんじゃないかな、って思うのです。
 トム・クルーズはインタビューで、次回作は東京での撮影を熱望していると話していたそうです。多分にリップサービスでしょうが、なんとか日本でロケをしてもらいたいものです。

 で、ここで提案。続編の「M:I:4」を静岡に誘致しません?
 宙吊りシーンはアクトタワーで。カーチェイスは建設中の第二東名高速道路が空いてます。車やバイクの工場でのアクションシーンなんてなかなかいいですよ。スズキやヤマ発の製品をタイアップで使ってくれたらOKです(たぶん。いや、責任は持ちませんが)。
 もちろん私も全面的に協力します。私の家(築30年以上の木造建築。東海地震が来たら真っ先に倒壊する)なんて、舞台にぴったりですよ。ドーンと景気良く爆破しちゃってください。補償金は新築家屋が建設できるくらい支払ってくれれば十分ですから、安いものです。
 まあ、冗談はともかく、やってくれないかなー、美しい富士山を背景に繰り広げられる巨編アクション映画。いらない空港や高速道路を作るよりも、よっぽど有意義だと思うんですけどね。


 

真の絶対王者とは

カテゴリー │プロレス

 友人にメールで書いた内容に重複してしまいますが、やっぱり言わなくてはならない。

 「全日本プロレスの嵐が大麻不法所持で逮捕! 永久追放へ」(「スポーツナビ」7月7日)

 闘病中の絶対王者・小橋健太のこの言葉を噛み締めてほしい。

 「オリンピックに出たベン・ジョンソンのように、プロのスポーツ選手は筋肉増強剤を使っているのではないかと疑われます。(全日本に)入門した時、馬場さんに「絶対にお前は(ステロイドなどの薬物を)使うな」と言われました。ですから、とにかくこつこつと体を鍛えてきて、これまで(薬物を)使いませんでしたし、今も使いません。
 ステロイドもアメリカなどでは覚醒剤と同じくらいの罪になるらしいです。ステロイドは1~2ヶ月ですごい筋力アップになるので、つい手を出してしまいがちですが、内臓疾患や心臓発作を起こしたりして死亡に至るケースが多くあります。プラスがあればマイナス部分が出てくると思います。
 自分もこつこつ積み上げてきて15年経ちますが、(怪我→手術で)1年半のブランクによって、体重が120キロから100キロまで落ちました。そこからまた1からこつこつ作り直してきて、今は110キロになりました。薬物に頼らず、積み上げてくれば成果は出ます。
 覚醒剤に頼るのは逃げているようにしか思えない。生きていく上で、正面から勝負していかないと。
 この中で使用しているのは彼だけ(井上選手の肩を叩く・笑)。
 正々堂々とやってほしい。自分はプロレスの世界に入っているが、気持ちだけはもとから曲がった事が嫌いでした。医者が「手術後にステロイドを使えば2ヶ月早く復帰できたがフェアじゃない」と言いました。フェアじゃないことをやっても仕方がない。正々堂々と頑張ってほしいです。」
(「志賀賢太郎選手非公式応援サイト」より「山梨県白根町 交通事故防止・非行防止町村民大会」リポートから)


 

最近会った人

カテゴリー │いろいろ

 いろいろとあって更新が遅れがちなので、いくつかの近況を。

 友人と飲みにいきました。北朝鮮のミサイル発射について歓談。「あそこもふざけてるな、一丁やってやらんと気が済まんな」と友人談。
 彼は典型的なノンポリです。政治的なことを言うのは珍しく、彼のような人の中にも過激な意見が熟成されることが怖く感じます。国中にそういう空気が蔓延することは避けなければと思います。そういう私はいわば「穏健派」の立場ですが、それでも切れそうな堪忍袋の尾を理性の糸で繕っているのがやっとです。まったく、何考えてるんだろう、あの国は。

 その友人は会社の経営者で、地元の外国人とも取引があり、その他個人的な経験から外国人にも強硬な意見を持っていました。私が「でも、俺が知ってる外国人は、すごく真面目で勤勉な人が多いよ」とやんわりさとすと、「そうだよな、フィリピン人がひとり会社にいるけど、そいつはものすごくがんばってるからな」と強くうなづいてくれました。
 当地では犯罪に限らず外国人とのトラブルは相当に厄介な問題ですが、犯罪に走る人は本当にごく一部で、その他の大多数はまっとうに生活しています。
 静岡県警本部長が「体感不安」という曖昧な言葉を話していましたが(と新聞記事で読みました)(後注参照)、そんな意味のない言葉や感覚に惑わされず、常に冷静でありつつ、問題解決・トラブル解消を前向きに考えなくてはならないと思いました。日本人だって、一部の奴らの「買春ツアー」が東南アジアなどで相当悪く言われているのですから。日本人の全部がそういう奴らだと思われるのは絶対にいやですからね。
 (後注・ネットで検索しても県警本部長が「体感不安」という言葉を用いた形跡はウェブ上では見当たりませんでした。代わりに県警サイトに「緊急治安対策プログラム」平成17年度版進捗状況に似たようなものありました)

 続いて近くのスナックに行きました。スナックといっても居酒屋のようなアットホームなところです。同年代のホステスさんと話し込みました。
 その人は10年選手で、最初は相当ヤンチャもしていたそうですが、プロとしていろいろ勉強して、失敗して反省して、それを繰り返して今では立派な中堅です。
 私もお客様と接する仕事をしているのですが、ホステスに限らず、最初はお金が目的とか、あるいは空いた時間を有効に活用したいというのが多くの動機です。最初からその仕事をしたくてする人は少ないのです。
 仕事はそんなに甘くはない。形はルーティンワークですが、その奥は深い。心ない客に傷つけられることもあったり、変な客にストーカーまがいのことをされたりもします。それでもニコニコ愛想笑いをしなくてはならない。そのくせ接客業、特に夜の仕事は社会的地位が低く、露骨に軽蔑されたりもします。
 それでも、現場の従業員が向上することで業界全体も変わっていくだろう、しいては職業の社会的地位も上がっていくだろう、そう思ってヒーコラやっているのです。実際に、彼女のような従業員をどれだけ抱えるかが飲食業・販売業だけでなくサービス業の力です。もちろん、それには経営者の高い能力と志が必要です。
 「この仕事って、人が人に相手をするから終わりがないんだよね」「そう。だから、難しいの。けど、それが楽しいんだよね」
 そんなことを話し込んでしまいました。もうちょっと艶っぽい話ができたら私も酒場でモテるんだろうけどね。あーあ。


 

もうすぐ七夕

カテゴリー │静岡の話題

静岡伊勢丹前に飾られていた七夕の笹に吊されていました。
全文は、

とびっきりの天気予報が当たりますように

えっ、当たんないの!?


 

「solbreveco」

カテゴリー │静岡の話題

 市から配布された広報誌を開いて、思わず「おおっ」と叫んでしまいました。



 広報誌が化粧品会社の広告を取ってきたのか、とか、間違えて女性ファッション雑誌を見たのか、とか思って一瞬混乱してしまいました。
 何かといいますと、磐田市(旧福田町)の地場産業であるコーデュロイ・別珍生産が、新たにブランド「solbreveco(ソルブレベコ)」を立ち上げ展開していくという記事です。広報誌の中身は磐田市のサイトに掲載されていますのでこちら↓をご覧ください。
 http://www.city.iwata.shizuoka.jp/gov/10/060701/P02-09.pdf

 コーデュロイ、というよりはコールテンといったほうが私にはわかりやすいのですが、綿100%の、見るからに暖かそうな厚い凹凸のある生地で作られた服を秋冬によく見かけます。このコーデュロイは、国内の9割以上を旧福田町で生産しています。保温性には非常に優れていますが、反面、実用性第一で、オジサン・オバサンがよく着ている服という、ファッション性からはやや遠いイメージがありました。
 加えて、繊維産業の斜陽化や外国製の安い商品が入ってきて、国内の生産者は厳しい状況に置かれています。

 その状況を打開しようと、福田町商工会がブランド展開に乗り出しました。それが「solbreveco」ブランドです。東京都内の見本市に参加したり、大手セレクトショップで展示会をしたりアドバイスを受け商品を開発したりと積極的にPR活動をしています。
 とまあ、知ったかぶって書いていますが、実は私がそのことを知ったのはたった数ヶ月前、業界紙が取り上げていたのを読んだからです。それまでは福田町でコーデュロイが生産されていることすら知らなかったのです。ですから具体的な内容など何もわからなかったのですが、広報誌に掲載された大胆で斬新な(少なくともお役所の出版物には見られない)PR記事には鮮烈な驚きを覚えました。なかなかやるな、磐田市職員。

 ただ、シビアな見方をすると、お堅いお役所や泥臭い商工会の仕事だから意表を付かれたともいえ、ファッション雑誌の広告と比較すると、甘い点があります(「Can Cam」や「MORE」あたりと比べるほうが悪いのでしょうが、職業柄どうしても厳しく見てしまうのでそこのとろはご勘弁を)。それでもよくやっていると感心しました。
 今後のブランド展開が楽しみです。地方の田舎町がどこまでやれるか、興味を持って(そして厳しい目で)観察していこうと思っています。それから課題は、販路の開拓ですね。広告代理店やPR会社に大金を払ってエビちゃん優ちゃんもえちゃんに着てもらっても必ずしもブランドイメージが定着するわけではないので。営業力の強化に期待ですね。

 福田町商工会・solbrevecoブランドのサイト http://www.fukude.or.jp/slv/index.html


 

バイラル・マーケティング実践編(2)

カテゴリー │インターネット

 今日もわが愛車、「ESCAPE R3」で風の歌を聴いてきました。この季節に夜のクルージングは最高に気持ちいいです(やや危険ですが)。

 さて、スポーツ自転車の素人の私が購入するとき、ネット情報を主に頼ったことは前回書きました。オンラインショッピングサイトにはレビュー欄が設けられていることが多く、そこには善意の第三者が、親切に、時には辛辣に感想を書いてくれています。これが意外と当てになるのです。
 ネットの書き込みは「便所の落書き」なんて言われ、私も同じように快く思っていなかったのですが、自分がよく知る分野を見たら、結構的を射た良質の意見があるのです。

 例えば旅行業者のサイトで、私が東京でよく利用するホテルの感想を見ると、いい感想ばかり書かれていました。そこは伝統あるホテルで、知名度やサービス内容のわりに比較的安い料金で泊まれることで知られています。記入者の感想はおおむね間違っていないと思いました。
 面白いのは、ホテルの担当者もそのサイトの書き込みを気にしており、「ホテル内の○○○というレストランを楽しみにしていたけど満員であきらめた。次に泊まるときには是非いってみたい」という、決してけなしていない、むしろレストランの人気を裏付ける感想にも、「ご期待に沿えず申し訳ございませんでした。ご予約をお取りいたしますのでお気軽に従業員に申しつけください」と、丁寧に返事のコメントが書き込まれていました。

 そういった、いわゆる口コミサイトが商品選択における重要なツールとなってくると、口コミを販促に利用しようと着目する人もいます。そういった、口コミを利用したマーケティング手法のことを、「バイラルマーケティング」といいます。「バイラル(viral)」とは「感染的な」という意味で、文字通り、ウイルス(virus)のように感染するマーケティングのことです。