芸術の秋は短すぎる

カテゴリー │映画・演劇・その他

 芸術の秋というだけあって、この地方都市でも気になるイベントが多数行われており、どれに行こうか毎週頭を悩ませています。
 迷った末、今年も行ってきました、現在開催中の「はままつ映画祭2009」。昨年このイベントについてブログに書いたら、関係者の方が読んでいてくださったという、嬉しいサプライズがありました。今年も目に留めてくれるかな?

 世界規模の大きな映画祭とは違って、シネコンなどでは上映されない、小粒だけれどいい映画や、クセのあるドキュメンタリー作品など、普段目にすることがあまりない映画が上映されます。今日観たのは、田口トモロヲ監督「色即ぜねれいしょん」。
 え?知らない?そりゃそうでしょう。俳優の田口トモロヲが監督という話題性はあっても、テレビ局などが絡んでいるような派手な映画ではありませんでしたから。私も週刊誌のヒマネタ記事を読んで興味を持っただけです。
 で、やはり私のアンテナは錆びついていなかった。私的に「わかる!わかるよ!」と叫びたいシーンばかりでした。

 漫画家でロックミュージシャンで仏像マニアなど多彩な顔を持つみうらじゅんの自伝的小説が原作です。みうらじゅんが実際に通った仏教系高校の生徒が主人公です。ボブ・デュランに憧れるギター少年で、でも不良たちが幅を利かせる学校で怯えながら過ごす文化系の男子です。
 高校生男子ですから、頭の中は女のことと性のことでいっぱいです。エッチな妄想で脳(と下半身)を膨らましているダメ高校生です。
 そんな主人公が、冷静に考えれば根拠のない噂話に乗せられて、悶々とした青春を解放すべくひと夏の旅に出ます。これがストーリーです。
 実は私も、ほとんど同じことをしてたんです。ああ、苦い思い出が一挙によみがえってきた。恥ずかしー。

 アメトーークでいう「イケてないグループに属していた」私は、勉強ができるわけでもなく、体育会系の部活にも入っておらず、ヤンキーグループとは無縁で、地味な文化系の部活に入っていました。
 そして、あるイベントに友人と泊りがけで出かけたのですね。そこで、たくさんの友人が出来たのですが、女の子3人組がいたんですね。その子たちに「こっち(僕らのグループ)に来ない?」と声を掛けたのが私ですが、その理由が、女の子だけだといろいろと危険だから。ここだけ映画と違って、当時からクソ真面目だったんですね。
 一緒に行った友人とか、向こうで仲良くなった男子高校生たちは、なんとか女の子たちと仲良くなろうとしていたのに。
 その後、名前も住所も電話番号も聞くことなし。学校だけは知っていたので、一緒に撮った写真を送ろうと、学校宛てに郵送したのですが、当人たちには届かなかったようで、何の返事もありませんでした。
 それで終わればいいものを、友人が「オオハシがナンパした」と火のないところに煙をモクモクと立たせやがって(しかも学校新聞で暴露しやがった!)。そこだけは映画と同じでした。

 で、最近、小説もマンガもアニメも「文化系青春モノ」が人気なのですが(クラシック音楽とか書道とかガールズバンドとかね)、どうしてこの映画がもっと話題にならないのかが不思議です。
 いい映画なのですよ。もちろん、もっとここをああすればいいのにとかありますよ。せっかくリリー・フランキーや「くるり」の岸田繁を起用しているのに、もう少しうまく生かせなかったかなーとか。
 でもね、アメリカならば「アメリカン・グラフィティ」、日本なら「パッチギ!」の塩谷瞬くんのような、はじけるべきところではじけられない情けない青春群像だってアリでしょ。っていうか、そもそも青春って、そんなもんでしょ。

 ところで、次回上映が「お・と・なり」という映画だったのですが、それはもう長蛇の列ができていました。私はその映画は知らなかったのですが、そんなに人気なの?出演が岡田准一くんだからかな?私は谷村美月のほうが見たいのですが。今度観てみようか。えっ?この映画祭での一回きりの上映で、もうやらないの?

 ……芸術の秋は過ぎ去るのが早すぎる。ああ、仕事が憎い。


 

「介護さん」はただの仕事に過ぎない

カテゴリー │社会

 身内が入院している病院では、何人もの介護士が働いています。赤の他人の下の世話をしたり、女性の方でも大人の男の体を持ち上げて体位を変えたり入浴させてくれたりします。夜勤もたびたびです。それでいて私が訪問しても、いやな顔はまったく見せません。人の心に触れるデリケートな作業から力仕事までこなす介護士の方々には、ほんとうにお礼の言葉もありません。
 同室の患者の家族の方とも話をしたことがありますが、その病院は本当にスタッフの対応がいいと感激していました。おそらく他の病院や施設では嫌な思いをしたのではと想像しています。
 そんな素晴らしい働きをしている介護士さんは、病院の医師や看護師から「介護さん」と呼ばれています。この「さん」は一応敬称ですが、ちょっと意味合いが違います。「女中さん」「小僧さん」と同じような、やや身分の低いとみなされている人たちに憐みを込める呼び方です。芸事の世界ならばわかりやすいでしょう。今でも「前座さん」「下座さん」などと当たり前に呼ばれます。
 病院の他の職業の人は、医師や看護師でも「○○さん」と名前で呼ばれますが、介護職員は一律「介護さん」です。差別とまでは言いませんが、同じ専門職でも医師や看護師、ソーシャルワーカーよりも一段低い位置にあります。
 地位の向上には業界内の意識改革よりもまず何よりも、介護職員の待遇改善が必要です。そもそも旧厚生省が介護保険制度の立案時に非正規職員を前提にしていた制度設計をしたからそれを改めなくては……、といったことは私が言わなくても専門家が言いますよね。失礼しました。
 ともあれ、いい働きをしている「介護さん」にはそれに報いる待遇が必要です。政治家のみなさん、しっかりとお願いしますよ。

 さて、昨日、日本中が注目した大きな裁判がありました。被告人は、福祉や介護の仕事を勉強したいと法廷で述べたそうです。


 

バカ親子

カテゴリー │いろいろ

 ある日の日曜日。

 母「そういえば、今日、選挙だったねー」

 私「あ、そうだった」

 母「投票所、どこだっけねー」

 私「一緒に行く?」

 母「誰に入れようかねー。誰でもいいけどー」

 私「俺はどうしようかなー。あっ」

 母「どうした」

 私「俺、もう期日前投票行ったんだ」

 母「そうだったの。もう行ったの」

 私「そう。あれ?俺、誰に入れたっけ?」

......................
 県内各所でこんな会話が交わされた結果。
  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓
 「県内投票率35・64% 国政選挙過去最低」(「静岡新聞」10月26日付)


 

「沈まぬ太陽」を観ました

カテゴリー │映画・演劇・その他

 どうもお久しぶりです。好きなアイドルから覚醒剤中毒を告白されるゲーム「シャブプラス」にはまってしまってブログの更新がすっかり滞ってしまいました(もちろんウソ)。

 さて、観てきましたよ、映画「沈まぬ太陽」。沈みかけの日本航空社内の不条理を書いた山崎豊子の原作の映画化です。
 感想としては、よくぞこの大作をものにできたものだと感嘆しました。細かなことを言えばきりがないのですが、小さな瑕疵はあれど、全5巻にもわたる大河巨編を、角川歴彦氏が力技で映画に仕立てた印象です。渡辺謙が終始ニヤニヤしているのですが、大企業の不当な力に翻弄されつつも企業人の本分を努めようとするよう姿に見え、余計に涙を誘いました。営業や販売の仕事の経験がある人ならばわかるでしょう。
 実はこの映画、日航はまったく協力していないのですね。原作や映画にクレームを付けたり、モデルになった人ともめたりして。映画化すら何度も暗礁に乗り上げたそうです。
 ですから、どんなに大規模なロケでも、角川書店や東宝などがすべて自力で行っています。空港のシーンはタイで撮影したと聞いて驚きました。
 このあたり、全日空が全面協力した「ハッピーフライト」とはまったく対になっています。企業の姿勢の違いかもしれません。
 (ネタばれになりますが、「ハッピーフライト」では事故の危険やトラブルが描かれます。絶対安全でなければならない航空会社としては自社のイメージダウンにもなりかねない映画でしたが、それでも使われた飛行機には「ANA」の文字が踊っていましたから)

 知ってる人にとっては当然のことでしょうが、「沈まぬ太陽」はモデル小説で、世界各地を飛ばされ続けた主人公にもモデルがいます(故人)。
 その他の人物や社内事情も事実が多いそうで、「この人だ」とすぐに推測できるできるそうです。だから本人からクレームが来るのですが。でも、あくまでも「モデル“小説”」なので、デフォルメがされているのは当然だと思うのです。本人たちはそう思わないでしょうが。
 ただ、日航社内のドロドロは、あんなものではないそうです。航空業界については詳しくはないのですが、それでも私が知る組合の話よりもかなりマイルドに描かれていました。小説や映画では会社=悪のように書かれていましたし、そういうところは間違いなくあるのですが、事実関係にはやや距離を置いて眺めたほうがいいでしょう。

 で、私の勝手な予想では、この映画は前評判ほどのビッグヒットにはならないのではないかと思います。
 もちろん、ヒットしてくれればいいのですが、原作が大部すぎて映画が大味になっていること、前半と後半で舞台の焦点が異なって定まらないこと、3時間を超える上映時間(休憩が入る映画なんて久しぶりに観た)、同時期の上映作に話題作が多いことなどがあります。
 それでも、多くの人に観てもらいたいと思っています。同時に、原作の小説も読まれてほしいと願っています。
 なにせ、「金で買えないものはない」とまで豪語した堀江貴文氏が拘置所で読んで感銘を受け、保釈されてすぐに御巣鷹山に向かわせたほどの本ですから。人を変えた小説ですから。
 もちろん、123便墜落のシーンでは私もワンワン号泣しました。ハンカチ忘れたのでティッシュペーパーをがさごそ出して涙と鼻水を拭いてました。隣の人、迷惑だっただろうな。

 そして、何よりも製作者からの最後の一文。関係者には心から肝に銘じていただきたいと強く強く熱望します。日航やJR西日本だけではなく。

(追記・10月16日)一部文章を修正しました。


 

秋の味覚

カテゴリー │いろいろ

毎年恒例、変わり種ペプシ。今年は秋に登場です。満を持して、あずき味を投入です。
「ペプシとあずきの雅な出会い 上品な甘さとコーラの刺激が新しい」だって。
飲んだときには普通っぽくて期待はずれだったけど、胃の奥からこみ上げてくる味が口の中に残って……。
こりゃ間違いなく、あずきだ。缶入り汁粉より生々しいや。



 

芸能総研流ミシュランガイド大阪版

カテゴリー │いろいろ

☆☆☆近鉄喜志駅近くにある喫茶店
 学生街の喫茶店というよりも、もう少し年上の人が多かった。近くのスーパーの方や作業着を着たおじさん、水商売のママさん、元アメフト選手で転職を繰り返す人。大人の世界をいろいろと教えてもらった。
 卒業式の後にコーヒーを飲みに行ったら「今日はお祝いでサービス」と言われ、「出世払いで返します」と答えた。いつか胸を張って利子をたっぷり付けて払いに行こうと思って10余年。俺ってダメだなあ。

☆☆☆大学内にある喫茶店
 徹夜明けの朝によくトーストと卵だけが付いた質素なモーニングを食べながら、読書やリポート書きをしていた。知り合いは誰もいなくて、今で言う「隠れ家」的な存在だった。
 ある朝「ねーちゃんコーシー(コーヒー)くれ、コーシー!」と騒がしく入ってくるオヤジがいて、誰だうるせえなと振り向くと堺正俊(フランキー堺)先生だった。今思えば堺先生の講義の実演を生で聴講できた貴重な機会だった。

☆☆☆宗衛門町にあったドイツ料理店
 大学1年のときに「るるぶ」片手にみつけた店。ドイツの伝統音楽の生演奏と、ソーセージやドイツビールが名物。オーナーさんが「Ein Toast(乾杯)!」と髭男爵のようにジョッキをカチンといわせて回っていた。たまたまスーツを着ていたので「お仕事帰りですか」と聞かれて、大人に見られてちょっとうれしかった。その代償として翌日から耐乏生活を強いられ、毎日おかずがなかった。
 しばらくしてテレビでやしきたかじんがその店で打ち上げをやったと言っていた。それほどの名店だったのにネットで検索したがヒットしなかった。なくなったのだとしたら残念だ。

☆☆☆阪急百貨店大食堂のライスカレー
 阪急創業者の小林一三が目玉メニューとして導入した、デパート史をひもとくと必ず出てくる料理。絶妙に調合されたルーと煮込んだ牛肉が抜群で、豪華な大食堂の雰囲気、気品のあるウェイトレスとも相まって、昭和初期の庶民の贅沢が味わえる。
 友人に紹介されて食べたのが1990年代前半で、その後はどうなったか不明。別の食堂で食べられるという話も耳にしたが、不明。

☆☆☆阪神百貨店地下のイカ焼き
 これぞ大阪人のソウルフード。イカ焼きというと露店で売っているイカの姿焼きを連想するが、お好み焼きをさらに平らにした、韓国のチヂミのようなもの。一枚105円で、立ち食いや電車ホームに通じる階段に座ったまま食べるという、デパ地下のイメージからほど遠い行儀の悪さもいい。
 常に長蛇の列ができているが、大阪人はイラチ(せっかち)なので会計も早く、並んでもどんどん前に行く。思えば上記の阪急と合併するなんて、想像もしなかったなあ。

☆☆☆ホテルグランヴィア大阪にあったラウンジ
 阪急、阪神ときたので大丸も。深夜に梅田でバイトしたときに月1~2回ここのホテルの一階でモーニングセットを食べていた。ホテルの中にあるにもかかわらず980円と比較的お得で、ほんのわずかに味わえる贅沢だった。優雅な雰囲気やしっかりとした接客など勉強になったところも多い。
 数年前に大阪に行った時には改装されて別の店になっていた。そこも美味しかったが、記憶という味にはかなわなかった。

☆☆☆大丸梅田店レストラン街にあるそば屋
 長く大阪にいたため東京の文化に焦がれていた時期があり、そば店めぐりに精を出したこともあった。うどん文化の大阪では良店は見つからないが、例外がここ。そばにコシがあって歯ごたえがいい。酒もいいものを置いてあり、デパートの高所からJR大阪駅を見降ろしながら食するのは王侯貴族でも味わえない贅沢。
 若い店主夫婦で、おそらくのれん分けしてもらったのだろう。本店を聞いて行ってみたが、ここには到底及ばなかった。ここはまだあって、サイトでもヒットするが、あまり宣伝したくないので大阪に行かれたときにはどうぞご自身で足を運んでみてください。

☆☆☆羽曳野市の大阪外環状線沿いにある長浜ラーメン屋
 下宿していたアパートの近くにあったラーメン屋。珍しく夜2時までやっていた店。最初はスープが濃厚すぎて辟易したが、やがて慣れてくると癖になる。後に博多の有名な長浜ラーメン店に行ったときに薄くてもう食べたくないと思った記憶がある。
 リポートや卒論に疲れてくると長浜ラーメン店→吉野家→ローソンと1時間以上かけて散歩するのが気分転換コース。吉野家にもローソンにも同級生や授業でいっしょになった人が働いていた。それだけ食べて全く太らなかったあの時代が恋しい。

☆☆☆新世界のホルモンうどん店、串カツ屋、寿司屋、など
 勉強や仕事のストレスからアル中同然の酒浸りになったことがある。新世界はとにかく安く、昼から開いている店が多く、何より美味かったので毎週通った。夕方まで新世界で飲んで、そのあと天王寺駅近くの立ち飲み屋でも飲んで、住んでいた八尾駅近くの酒屋に隣接していた飲み屋で一杯やって締めるのが毎度のパターン。
 串カツ屋で見知らぬ客と「今年は阪神行けるとちゃうか?」なんて会話ができるのが大阪のいいところ。その向かいでは高校生カップルがデートしてたりと。もちろんコーラでだが。ホルモンうどん店は老舗のところで、十数年前に行った時に店主のおばあさんが「もう新世界はあかんわ」といっていたのが印象深い。その後、娘さんに代替わりして営業中。「串カツ屋が多くなりましたね」と聞くと「新しいところには行かんほうがいいよ」と耳打ちしてくれた。

☆☆☆法善寺横丁の外れにある小料理屋
 用事で大阪に戻った時に偶然見つけて入った店。ちょうど松竹の浪花座の後ろくらいにあり、テレビにほとんど出ないが演芸通の間ではよく知られた芸人の話で盛り上がった。女将さんが「業者からカラオケセット入れろって言われたから買ったけど、使うことなんかないわ」と言っていたくらい、常連客が和気あいあいと飲んでいて、私もその輪の中に自然と溶け込んでいた。
 旅をすると、地元で愛される店にたびたび出会い、「次に来た時にもまたこの店に行くぞ」と思うのだが、その機会はほとんどない。ああ、人生は短い。


 

NHK-FM「プロレス三昧」が聴けねぇ!

カテゴリー │放送

 本当に何年ぶりにラジオの聴取方法に苦労しています。
 アンテナを窓のそばまで延ばしたり、送信所の場所を探して受信機本体をクルクル回したり。
 こんなの、高校時代ぶりだよ。
 しかも、地元局のFMだぞ。

 なんでそんなことをしてるかというと、今日0時15分からNHK-FMで「今日は一日…“プロレス・格闘技テーマ曲”三昧」という特番があるのですよ。
 NHK-FMが誇る名物番組が、ついに四角いジャングルに上がるのですよ。
 新聞のラジオ欄が熱い!「静岡新聞」がラジオ欄が充実しているので、紹介します。
時は来た
元気があれば何でもできるFM史上初のプロレス格闘技特集
リクエスト大募集中
入場曲に込められた思い出の熱戦名勝負夢のドリームマッチ
A・猪木VSG・馬場
J・鶴田VS前田日明
鈴木修爆勝宣言秘話
スパルタンX永遠に
大興奮パワーホール
倍賞炎のファイター
ありがとう王者の魂
仮面貴族スカイハイ
マスクマンベスト3
選手が選ぶあの一曲
お宝珍曲永久保存版
仰天ゲスト突然乱入
リクエストはFAX
&ホームページで…
玉袋筋太郎&神無月
ユリオカ&ハチミツ
博多大吉ほか(以下略)
 どうだ、濃いだろう!これで聞かなきゃ漢じゃない。
 もちろん、私もリクエストしましたよ。
 この番組、夜22時45分までぶっ通しでやるのですが、私は残念ながら、途中で用事があって聞けなくなるのよ。ああ、仕事のばか!
 この番組を聞いてる方、もしかしたら私のリクエストが流れるかもしれませんので、もし名前が読まれたら知らせてください。
 ああ、その前にラジオの受信状況をなんとかしないと。
 あー、放送開始まであと5分だよ!ミズホのループアンテナ引っ張り出してこようか、って、そんなものどっかいっちゃったよ。

 ああ、どうしよう……。時間よ止まれ!


 

長っ!

カテゴリー │静岡の話題



 2両編成の電車じゃありませんよ。2台の車両を連結したバスです。遠鉄バスターミナルに行ったらありました。
 とにかく長い!
 このバスのことはたまたま知ったのですが、なんでも神奈川中央交通というバス会社から借りてきたものを試験運転したそうです。私も乗せてもらおうと思ったのですが、残念ながらすでに整理券は配り終わって、車内は満席、立って乗っていた人も大勢いました。
 写真を撮っていたのはマニアらしき人だけでなく、家族連れや通りがかった人たちもケータイのカメラを向けていました。ホームレスのおじさんたちもベンチに座りながら談笑していました。
 神奈中では混雑緩和のためにこのバスを導入したらしく、遠鉄もそういう目的で試験運行したのではないかと勝手に予想していますが、それよりも市中心部以外の路線を増便してくれと強く強く思うのですが……。

 残念ながら連結バスには乗れなかったのですが、その代わりにバスターミナル下でこんなものを売っていました。
 遠鉄電車で実際に使っていた吊り輪と切符はさみです。
 これが、どちらかが500円、もう一方が1000円とメチャクチャ安い。鉄道マニアならば垂涎の的なのに。私?もちろん即ゲットしました。
 他にも私鉄グッズがいくつも売っていました。変わったものとしては、天竜浜名湖鉄道のレールを20センチ幅に切った文鎮。本物の、天浜線が走っていたレールです。
 これ、たったの500円。10個限定発売。あっという間に売り切れたそうです。
 なんでも、天浜線では11月1日・3日に「天浜線フェスタ」というイベントを予定しており、そこで販売することをPRするために、プロモーションとして持ってきたとのことでした。イベントでは「レールの切り売り」もしてくれるそうです。切り売りって、反物かよ!
 でも、こういうアイデア商法は面白くて大好きです。ネットで調べてみると、レール販売はいろいろな鉄道会社がやっているようです。

 しかしながら、考えてみれば、試乗会にしろ放出品にしろ、マニアにとってはのどから手が出るほど欲しいものですが、企業の人にとってみれば、いつも使ってる備品で、珍しくもなんともないんですね。
 どの業界でも同じで、警察マニア、軍事マニア、郵便マニアなどには、警察官や自衛官や郵便局員が日常使用する用具も売れるわけです(実際には法的な制限がありますが)。
 ということは、ローカル線の鉄道会社の人は、宝の山に気付かずに赤字にひーひー言っているということです。
 これ、どこかの商社の方、ビジネス化に手伝ってあげてください。遠鉄の放出品グッズはネット通販でも取り扱っていないと言っていましたが、うまく世に知れ渡れば日本中・世界中から注文がきますよ。
 こんな記事もありましたし。

 「駅名板からつり革まで 名鉄部品の販売、ファンで盛況」(「asahi.com」2009年2月8日)


 

取扱注意の宗教青春本

カテゴリー │書籍・雑誌

 いやあ、ここんとこ仕事やらそれ以外のことやら雑多な用事がずっと続いていて、頭の中が未整理です。ブログの更新どころではありませんでした。おまけに台風も来るし。電車やバス、ちゃんと出発するんだろうなー。

 そんな折に、仲正昌樹さんの『Nの肖像』(双風舎)という本を読みました。仲正さんは現在、金沢大学の教授で、政治思想や哲学などが専攻の気鋭の学者です。現代思想についての著書を読んだことがあるのですが、私にとっては難解で、放り出したままです。
 仲正先生は、実は東京大学入学直後から11年半、宗教団体の統一教会に入信していました。そのことを別段隠してはいなかったのですが、特に話すこともなかったそうです。今回、編集者から要望があって、インタビューを構成するという形で出版されました。ですから哲学者・社会思想の研究者の著書としては、かなり読みやすいものです。
 内容は、宗教団体の体験記や内部告発というよりも、一エリート学生の青春譜です。

 仲正先生は広島の公立高校から東京大学に入学しました。私からすると東大生というと「エリート」「天才」「雲の上の人」と思ってしまいますが、本人たちはそうは思っておらず、上には上がいるという現実に直面し、居場所がなく、不安に陥ってしまったそうです。寮は左派系サークルの牙城で、そこでも居心地の悪い思いをしていました。
 そこに入り込んできたのが原理研究会(統一教会の学生組織)です。アンケートに答え、そのままホームに移り、教義を学び、研修と称して珍味などの訪問販売をするという生活をしていました。統一教会系の新聞「世界日報」に就職し、外報記者をしていました。途中、ドイツに留学までしたという、傍目から見るとエリートコースを歩みました。

 ところが本を読むと、統一教会内部でもずっと居場所がなかったと書いています。人見知りの性格からホーム内の人間づきあいも苦手で、珍味売りもうまくいかず、研究者を目指した大学院入試でも落とされます。
 そんなところから、統一教会の教義へのゆらぎも生じ、「祝福」(合同結婚式)まで受けたにも関わらず、最終的に脱会します。
 これを読むと、映像作家の森達也氏が撮影した「A」という作品を連想しました。オウム真理教の内部から広報担当の荒木浩を追った作品で、一人の青年が社会から爪弾きにされている宗教団体で、どう青春を送っているかを記した映像です。
 仲正氏の『Nの肖像』もまた、社会から指弾されている組織で青春を過ごした一青年のグラフィティで、他の優れた青春小説と同様、心地よい読後感があります。



 だからといって、仲正氏が記すように、統一教会を許容・寛容することは私には絶対にできません。
 (以下、かなり強い筆致になり、専門的なところも出てきます。興味のない方は読み飛ばしてください)

 (追記)著者の仲正昌樹氏より抗議のメールをいただきました。コメント欄もあわせてお読みください。


 

「生/死の自己決定」についての考察

カテゴリー │社会

 構想9か月、執筆2日の本館更新をようやくしました。

 「XX歳からの死生学(1)「新劇場版ヱヴァンゲリオン:破」」「芸能問題総合研究所」

 今年、私的なちょっとしたことがあって、死について考えるようになりまして、とりあえず考えるよりも書いてしまおうなんて無謀な試みをやっていしまいました。
 誰もが平等に訪れる、それでいてタブーになっている問題について、あくまでも芸能の視点から書いてみようと思います。
 まだ自分でもわかっていない部分も多々あり、さらに今回は医学的な専門的な記述もあります。適時訂正していくつもりなので、ご指摘等おねがいします。

 ちなみに、ある程度内容が固まった直後に、ミッキー・ロークが大復活を遂げた映画「レスラー」を観てきました。私自身がプロレスマニアだということもあり(実際のプロレスラーや団体が全面的に協力している)、素晴らしい内容でしたが、今年は高名なプロレスラーがリング上で世を去ったこともあり、複雑な気持ちでした。
 今回の文章ともかぶることですので、興味のある方も、ない方も、ぜひ観てください。

 だって、死は誰にも平等に訪れるのですから。