芸術の秋は短すぎる

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 芸術の秋というだけあって、この地方都市でも気になるイベントが多数行われており、どれに行こうか毎週頭を悩ませています。
 迷った末、今年も行ってきました、現在開催中の「はままつ映画祭2009」。昨年このイベントについてブログに書いたら、関係者の方が読んでいてくださったという、嬉しいサプライズがありました。今年も目に留めてくれるかな?

 世界規模の大きな映画祭とは違って、シネコンなどでは上映されない、小粒だけれどいい映画や、クセのあるドキュメンタリー作品など、普段目にすることがあまりない映画が上映されます。今日観たのは、田口トモロヲ監督「色即ぜねれいしょん」。
 え?知らない?そりゃそうでしょう。俳優の田口トモロヲが監督という話題性はあっても、テレビ局などが絡んでいるような派手な映画ではありませんでしたから。私も週刊誌のヒマネタ記事を読んで興味を持っただけです。
 で、やはり私のアンテナは錆びついていなかった。私的に「わかる!わかるよ!」と叫びたいシーンばかりでした。

 漫画家でロックミュージシャンで仏像マニアなど多彩な顔を持つみうらじゅんの自伝的小説が原作です。みうらじゅんが実際に通った仏教系高校の生徒が主人公です。ボブ・デュランに憧れるギター少年で、でも不良たちが幅を利かせる学校で怯えながら過ごす文化系の男子です。
 高校生男子ですから、頭の中は女のことと性のことでいっぱいです。エッチな妄想で脳(と下半身)を膨らましているダメ高校生です。
 そんな主人公が、冷静に考えれば根拠のない噂話に乗せられて、悶々とした青春を解放すべくひと夏の旅に出ます。これがストーリーです。
 実は私も、ほとんど同じことをしてたんです。ああ、苦い思い出が一挙によみがえってきた。恥ずかしー。

 アメトーークでいう「イケてないグループに属していた」私は、勉強ができるわけでもなく、体育会系の部活にも入っておらず、ヤンキーグループとは無縁で、地味な文化系の部活に入っていました。
 そして、あるイベントに友人と泊りがけで出かけたのですね。そこで、たくさんの友人が出来たのですが、女の子3人組がいたんですね。その子たちに「こっち(僕らのグループ)に来ない?」と声を掛けたのが私ですが、その理由が、女の子だけだといろいろと危険だから。ここだけ映画と違って、当時からクソ真面目だったんですね。
 一緒に行った友人とか、向こうで仲良くなった男子高校生たちは、なんとか女の子たちと仲良くなろうとしていたのに。
 その後、名前も住所も電話番号も聞くことなし。学校だけは知っていたので、一緒に撮った写真を送ろうと、学校宛てに郵送したのですが、当人たちには届かなかったようで、何の返事もありませんでした。
 それで終わればいいものを、友人が「オオハシがナンパした」と火のないところに煙をモクモクと立たせやがって(しかも学校新聞で暴露しやがった!)。そこだけは映画と同じでした。

 で、最近、小説もマンガもアニメも「文化系青春モノ」が人気なのですが(クラシック音楽とか書道とかガールズバンドとかね)、どうしてこの映画がもっと話題にならないのかが不思議です。
 いい映画なのですよ。もちろん、もっとここをああすればいいのにとかありますよ。せっかくリリー・フランキーや「くるり」の岸田繁を起用しているのに、もう少しうまく生かせなかったかなーとか。
 でもね、アメリカならば「アメリカン・グラフィティ」、日本なら「パッチギ!」の塩谷瞬くんのような、はじけるべきところではじけられない情けない青春群像だってアリでしょ。っていうか、そもそも青春って、そんなもんでしょ。

 ところで、次回上映が「お・と・なり」という映画だったのですが、それはもう長蛇の列ができていました。私はその映画は知らなかったのですが、そんなに人気なの?出演が岡田准一くんだからかな?私は谷村美月のほうが見たいのですが。今度観てみようか。えっ?この映画祭での一回きりの上映で、もうやらないの?

 ……芸術の秋は過ぎ去るのが早すぎる。ああ、仕事が憎い。


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