橋下知事をつぶす方法教えます。

カテゴリー │政治

 大阪の動きが激しくなってきました。
 橋下知事が間もなく辞任、現職の平松大阪市長と対決し、知事選挙も彼が率いる地域政党から立候補者を擁立します。
 マスコミは「大阪秋の陣」と銘打って面白おかしく書きたてます。
 橋下知事の生い立ちや親戚をめぐるバッシング記事も目立ってきました。
 反・橋下を明確にする知識人や言論人も増え、集会も行われたようです。

 ダメダメダーメ!そんなことやったって、かえって橋下の思う壺だって。

 たしかに橋下知事の言ってることもやってることも支離滅裂です。
 なにが大阪都構想?「都」って、天皇がいたところだよ。皇居移転するの?いや、あの人ならば言い出しかねないだろうな~。
 そんなグダグダなものを批判したって、かえって橋下が有利になります。
 彼の手法は、権威や既得権益者と自分との対立の構図に持っていこうとすることですから。橋下叩きが激しくなるだけ、橋下がフレームの中心にいることがはっきりします。
 つまり、強者(弁慶や平家)と戦う牛若丸(義経)、ということになります。
 そして、そういう「お祭り」が大阪の人たちは大好きなんです。
 知識人が難しいことを言って橋下を批判しても、大阪は「民都」ですから、庶民・大衆は聞かないんです。
 (バカにしているのではなく、大衆とはもともとそういうもの。私はそういう庶民の町・大阪が大好きです)

 よろしい。私が橋下をつぶすとっておきの策を教えましょう。

 先に書いたように、橋下は強い既得権益者対弱い大衆との構図を前面に押し出しています。
 強い既得権益者とは、政党ならば民主党、自民党、共産党などの既成政党。人物でいえば平松市長のような中高年。団体は労働組合。それから民間運動団体や民族団体など。
 新聞社やテレビ局などマスコミも入ります。
 つまり、いかにもネット右翼連中が「ネタ」にしやすいものです。

 この、あたりかまわずケンカを吹っ掛ける手法は、全然珍しくもありません。古くはプロレス、少し前の小林よしのりあたりを考えてもらえればわかります。
 まあ、日本人好みの構図です。

 そこで、反橋下、対橋下を打ち出しても無駄です。
 逆のことをすれば、橋下陣営が狙う対立構造の演出はメルトダウンします。
 つまり、

 民主党・自民党・社民党・国民新党・共産党などすべての政党が相乗り支持!

 関経連など関西経済団体が支持!

 自治労・大教組ら労働組合が支持!

 部落解放同盟が勝手連を結成!

 朝鮮総聯と民団が呉越同舟で応援!

 ついでに神戸の山口組が支援!(←支持でないところがミソ)

 ただし投票は別の候補者にね。

 こうなれば大阪府民の橋下支持は急速に冷却されます。
 このくらいの絵を描ける黒幕は今の大阪にいないのかな~。


 

実録・道警対組織暴力

カテゴリー │書籍・雑誌

 推理作家の佐々木譲氏の近刊『警官の条件』(新潮社)を読みました。「このミス」1位など多くの評価を得て、テレビドラマにもなった大河警察小説『警官の血』(新潮社)の登場人物の、いわばスピンオフ企画です。
 前作で逮捕された加賀谷仁というダークヒーローが再び登場します。暴対の刑事で、ヤクザに近づき情報を手に入れ、高級車に乗りまわし、拳銃や麻薬・覚せい剤を摘発するという、暴力団と何ら変わりがない警官です。
 加賀谷は対象と癒着したとして警視庁に逮捕されますが、主人公は前作で、この加賀谷を逮捕するとき、この逮捕はおかしいのではないかとか、こういう刑事も必要ではないかとの疑問が頭をよぎります。
 『警官の条件』では、それから主人公の刑事や組織はどうなったかが書かれます。
 おそらく、この加賀谷警部には、モデルがいるのではないかと思います。その人物がこのたび、手記を出しました。
 稲葉圭昭『恥さらし―北海道警悪徳刑事の告白』(講談社)です。


 稲葉事件といえば、北海道の人は強い記憶があるでしょう。現職エース警部が覚せい剤の所持・使用で逮捕され、裁判で道警ぐるみで拳銃押収のやらせ捜査がされていたと告白した人物です。佐々木も『笑う警官』(ハルキ文庫)など北海道警シリーズでたびたび触れています。
 その当事者・稲葉元警部が刑務所から出所し、洗いざらい書いたのがこの本です。
 これが、壮絶の一言です。


 

地元の祭りの社会学的分析(メモ)

カテゴリー │社会

 一昨日は筋肉痛、昨日は薬の服用を誤ってパニック、今日は仕事でぎっくり腰って、いったいなんなんでしょ。本厄と前厄と後厄がいっぺんに来た感じです。
 そんなわけで、ブログ更新できなくてすいませんでした。

 先週末から3日間、地元の祭典がありました。腕も肩も足腰ももう筋肉痛でしんどいです。いい年だなー。
 今年はほとんど準備に参加できなくて申し訳なかったです。地元の方でこのブログ読んでる方もいるようなので、謝っておきます。どうもすいません。よし子さーん。
 で、最近、震災のこともあって、いくつかの本を読んで漠然と思っていたことが、祭りを通じてまとまったので、メモ書き程度にまとめておきます。

 観光目的の祭りを除き、たいていは地元の人たちの親睦を兼ねます。隣の浜松市では浜松まつりという大きなイベントがありますが、それだって、規模としては小さい組や地区が集まって開催されます。観光客からは凧上げや御殿屋台の引き回しが見ものですが、初子さんのお祝いのために凧を揚げたり屋台を引いたりするのが本来の目的です。
 当地も似たようなものですが、観光資源にはまったくならないので、地区単位での催しが相対的に意味を強くします。


 

「東野圭吾人気作品ランキング」

カテゴリー │書籍・雑誌

 読書の秋です。というわけで。秋の夜長にザクザク食べるように本を読んでいます。
 昨日読み終わったのが、東野圭吾の最新刊『マスカレード・ホテル』(集英社)。発売日当日に書店でひもでくくられている状態のものを店員さんに「これもらえますか?」と言って出してもらったものです。書店員だったら当代きっての人気推理作家の新刊発売日くらい覚えておいたら?私だったら平台ワゴン全部使って大キャンペーンするんだけどな。


 内容は、普通に面白かったです。妙な日本語ですが、東野圭吾の読者は、肩のこるような純文学なんか求めてないんですね。私もそうだけど、上手くて楽しめる娯楽作品が好まれます。その点、この作者は作品も設定も上手いです。ベストセラーになるはずです。
 一流ホテルが舞台で、そこが犯行現場になるのではとの見込みから、警察が潜入捜査をするという内容です。テレビドラマにもなった石ノ森章太郎の『HOTEL』を読んでもそうですが、巨大ホテルはひとつの都市にも似た、システムが有機的に機能する空間です。だからドラマにもなりやすいし、人間模様もさまざまです。
 本作にもお決まりのクレーマーやスキッパー(宿泊料金を払わずに逃げる客)などの説明があります。そのリアリティの濃密さから、おそらく作者が取材から得た実際のエピソードが元になっているのではと思います。
 私はホテルマンと同じサービス業なので、よくホテルの本を読んだりしますし、高島政伸のドラマも観ていたりしましたが、絶対ホテルマンは務まらないと改めて思いました。私だったら絶対ブチ切れているでしょう。今度ホテルに泊まったら紳士的にふるまおうと決めました。

 さて、同書には出版社からの案内のほかに、「東野圭吾作家生活25周年 あなたが選ぶ人気作品ランキング」という応募はがきが入っていました。
 べつに何かもらえるわけではなさそうですが、ほぼ全作品読んでいるファンとして、こういうアンケートに答えるのは好きですし、AKB48のようにCD買わなくてもいいので、ちょっと考えてみようと思います(順番は順不同です)。