毒素

カテゴリー │現場を歩く

 本来なら「敗訴」の見出しが新聞に踊り、「不当判決」とでっかく書かれた紙を裁判所前で掲げるところだ。だが、裁判でないのでこれらの言葉は不適切だ。
 なんの話か。このブログで「役所に提出する書類を作るのに苦労している」といったことをちらっと何回か書いたことがある。その結果が今日、出た。
 合意には達した。その内容については一切言えない。合意文書の中に、他言無用の条項があることもそうだが、そこに至るまでの過程が ・ ・ ・ のため、口にすら出したくないのだ。
 ひとつだけ述べると、管轄の役所の担当者には、できる限りの努力とお力添えをしていただいた。大いに感謝している。

 ここからは一般論だ。
 学生時代に、いじめで自殺した子どもの両親による手記やインタビュー集をいくつも読んだ。彼らの多くは学校や自治体を相手に訴訟を起こしている。日本では裁判というとまだまだ世間の目は冷たい。「裁判沙汰」という言葉や「訴えてやる!」というお笑い芸人のギャグがあるように、裁判を起こした者は眉をひそめられ、あるいは嘲笑の対象になる。もちろん多額の費用や膨大な日数がかかる。
 それでも親が裁判を起こすのは、ただひとつ、真実を明らかにしたいからだ。我が子はなぜ死ななければならなかったのか、学校や行政が隠しているその理由を知りたいからだ。
 損害賠償など結果を求めてのことではない。過程こそが重要なのだ。金銭ではなく、気持ちの問題なのだ。
 一般論を終わる。

 何も言えないし言いたくないのならば、どうしてこのブログには書くのか?とにかく、身体中に溜まってしまった毒素をどこかに出したいからだ。今の私の中には広末涼子よりもいろいろ溜まっている。コカコーラの方、広告代理店の方、CMの出演依頼お待ちしています、なんて冗談が書けるだけまだ正常か。

 (上記の理由で、この文章に限って、コメントもトラックバックも受け付けません。わがままを言いまして申し訳ありません。次回からはのんきなことを書きますので許してください)


 

たい平、ぼたん、朝之助

カテゴリー │映画・演劇・その他

 風刺やパロディの話はまた今度にして……(ogacci先生すいません。お酒が入っていて真面目なこと書けないので)。

 昨日は浜松で行われた林家たい平師匠の落語会へ行ってきました。通い続けてもう3年目になるのですが、年々会場が大きくなり、今年は中くらいのホールに満席でした。「笑点」で知られているからでしょうが、贔屓の噺家さんが繁盛するのはうれしいやら、ちょっとさびしいやら。
 噺は絶品でした。得意の形態模写もたっぷりと披露してくださって満員のお客さんは大満足。かと思えば後半は父と子の人情話「薮入り」を聞かせてくれて、思わず涙が出そうになりました。「笑点」での師匠しか知らない方は、ぜひ寄席や落語会に出かけてみてください。匠の芸に圧倒されること間違いなしです。マクラが去年と同じだったことは黙っておきましょう。

 去年までとちょっと違ったのは、前座がいらしたことです。たい平師匠の弟弟子、いや、妹弟子(女性だから)の、林家ぼたんさん(二ツ目なのでまだ師匠とは呼べない)が演じていました。
 私は知らなかったのですが、ぼたんさんは地元の浜松出身です。以前浅草演芸ホールの高座でどなたかの師匠の助手をしていらしたときに、「この人は浜松出身です」と紹介されており、「浜松からお越しの方、いらっしゃいますか?」と聞かれ、調子に乗って客席から手を挙げたら「たっぷりご祝儀をはずんでくださいますよ」なんて言われ、こっそりと逃げ帰った思い出があります。そのときは名前を覚えていなかったのですが、女性で浜松出身の噺家なんてそういないでしょうから、たぶんその方でしょう。

 噺のほうは、まだまだ硬く、これからの人でしょう。そんなこと言うと、また愛郷心がないなんて言われるかもしれませんが、地元出身の人だからといって甘い評価をすると、贔屓の引き倒しになって、本人のためになりません。暖かい目と厳しい視点の両方が必要です。
 当地のメディアでも、噺家だけでなく、地元の人だからといって変に持ち上げたり宣伝まがいの記事が載ることがよくあります。応援するのはいいのですが、公平に見てこの人はちょっと……、という人まで地元出身だからといって過大に評価するのはあまり褒められたことではありません。芸能でも何でも「Warm heart,Cool head」の聴衆によってパフォーマーは鍛えられ、上達していきます。

 話は外れますが、街づくりにも同じことは言えます。ショッピングモールなど大型店の進出を法律で規制して街中への回帰を促そうという動きがあります。自治体の中には国の「まちづくり三法」の施行に先駆けて条例でショッピングセンター設立を認可しなかったところもあります。
 じゃあ、地元資本の商店などに人が帰ってくるのかといえば、そうとも言えないところがかなりあります。商品の貧弱さやサービスのひどさを棚に上げ、人や車の動きの変化を言い訳にして、政治や行政の無策に文句を言う店は、消費者が厳しく「NO」を宣告しなくてはなりません。いくら昔から慣れ親しんだ店でも、消費者に誠実でないところは潰れるしかないのです。これはバブル崩壊や規制緩和よりずっと以前からの商売の鉄則です。
 もちろん、小さくともいい店には、消費者が多少のコストを払っても応援することが必要です。これなど噺家さんと同じでしょう。ご祝儀は出せなくとも、寄席や落語会で木戸銭を払って観に行けば、噺家さんのフトコロが潤い、興行主も、あの人を呼べばお客さんが来るといってお座敷がかかります。

 というわけで、たまたま今日ご縁があったぼたんさんを、暖かく、厳しく応援したいと思っています。
 しかしまあ、寄席や劇場に足を運ぶことで、テレビで観ることができない芸人さんや役者さんに出会えるのはうれしいものです。
 たい平師匠を知ったのも、テレビではなく何年も前に観た鈴本の寄席でしたし、この間東京に行ったときには、春風亭朝之助さんという噺家さんが若いながらも上手いなあと聴き入ってしまいました。この方も期待できます。
 後から知ったのですが、この朝之助さんも、静岡出身だったのですね。地元で落語会があったら聴きに行こうっと。

 「林家ぼたん公認応援サイト F.C.ぼたん」 http://www.fc-hayashiyabotan.com/index.html
 このサイトの「ぼたん便り」という文章は秀逸です。落語とジェンダー、読書についての意見などはド正論です。当地の新聞やタウン誌の方、原稿を依頼してみてはいかがですか?
 「春風亭朝之助の春夏冬中(あきないちゅう)」 http://www7.ocn.ne.jp/~akinai/
 ブログはこちら。iTMSでの「にふ亭ぽっどきゃすてぃんぐ寄席」でも噺が聴けますが、生のほうがおすすめです。


 

表現の自由と信仰のあいだ

カテゴリー │映画・演劇・その他

 映画「ダ・ヴィンチ・コード」観てきました。
 西洋宗教史を勉強しなかったことが悔やまれます。これはキリスト教文化の下で育った人とそうでない人とでは面白さの理解度がまったく異なるでしょう。嗚呼、少年老い易く学成りがたし……。

 さて、海外ではこの映画の内容がキリスト教を冒涜していると激論になっています。
 今年はじめにヨーロッパの新聞がイスラム教の預言者ムハンマドを風刺した漫画を掲載したことが、表現の自由と信仰との間で大騒動となりましたが、そのキリスト教版といえます。
 風刺画問題のときに、これは日本にとっても対岸の火事ではないと書きましたが、「ダ・ヴィンチ・コード」を観て、改めてそう思いました。
 私が想定したのは、特定の宗教団体はなく、「天皇教」です。これを海外の監督が娯楽作品や風刺の対象として描いたらどうなるだろう、たとえばこんなのとか……。


 

2部学生青春譜・序章

カテゴリー │いろいろ

 長文の文章がまたまたぶっ飛んで大ショックを受けている大橋です。文章の長さとぶっ飛ぶ頻度って、比例しませんか?(普通の人にはよくわからないことでしょうが、ブロガーには強く同意していただけるはずです。「マーフィーの法則」ってやつです)

 どんな内容だったかというと、この新聞記事について思い入れたっぷりに書いたものです。

 「関大2部 苦学生の“希望”120年で幕」(産経新聞大阪本社版5月18日付夕刊)

 ここは二つある我が母校の大学です。社会に出ても最初の大学で学んだ知識がまるで役に立たず、「これじゃダメだ、もう一度ちゃんと勉強し直そう」と一念発起、なんとか3年次に編入学しました。今から8年前のことです。
 アルバイトとの両立は、とにかく大変でした。講義のほかにも週に2回は徹夜して資料を読んだり取材に出かけたりしてました。もちろん仕事もちゃんとやっていました。
 それでも辛いとか苦しいとか泣き言は言っていられませんでした。自分で選んだことだから、という他にも、私と同じか、それ以上に大変な思いをして勉強している人がたくさんいたからです。

 公務員や看護師の仕事が終わって大学に通っていた人もいました。他大学の大学院まで修了していて、なお学び直すために入学した人もいました。1部に合格しても、家庭の事情で2部に転部した人もいました。海外出張帰りに大学に駆けつけたビジネスマンやフェミニズムの講義を食い入るように聴いていた主婦もいました。1部への転部をひそかに狙っていたり、短大から高い学歴を求めて編入学した人もいましたが、私とお付き合いがあったのは、昔のイメージ通りの2部学生ばかりでした。そういう人たちに囲まれては、自分だけが大変だと言えませんでした。

 2部には差別も区別もありませんでしたが、「特権」はありました。少人数で先生の講義を聞けたことです。もちろん私語などひとつもありません。学生は私ひとりだけで、その道の第一人者の先生にお話を伺ったこともたびたびでした。
 つくづく、大変だったけど贅沢な2年間だったと思い返します。今やれと言われたら絶対に無理ですが。

 そんな思い出話を延々書き連ねたのですが、すべてが一瞬で吹き飛んでしまいました。
 これは、神様に、思い出話にふけるのはまだ早い、もっと年をとってから回想録にでも書けと叱られたからだと理解しました。ですから偉い政治家や社長になったときのために取っておきます、なんて。
 ただ、2度目の大学時代は、最初の学生時代と同じく、青春そのものだった、そして、境遇や年齢は違っても、学生の数だけ青春があったと、強く強く思うのです。

 別のところでも書きましたが、ここでも繰り返します。
 関大2部、万歳!!!


 

『安倍晋三対論集』

カテゴリー │書籍・雑誌

 『安倍晋三対論集 日本を語る』(PHP研究所編、版元も)読了。
 この人が次の総理の最有力候補か……。

 口が悪くないだけ麻生太郎よりましとみるか、それとも……。

 この人は政策とは真逆のソフトなイメージがあります。
 イメージに惑わされると大きな判断を誤る危険性がある、ということを知る意味で多くの人に読んでもらいたい本です。

 なお、この文章で書いた「ある政府中枢にある国会議員の本」とは、この本のことです(27ページ)。
 抜き書きするといいことを言っているように見えますが、通読するととても賛同できるものではありません。


 

裁判が街にやってくる

カテゴリー │社会

 今朝のJR浜松駅構内です。タスキをかけた人が大勢いるのは、別に選挙だからでも1週間遅れの浜松まつりだからでもありません(←まーた地元民しかわからない話を……)。

 静岡地方裁判所浜松支部で行われる「裁判員制度模擬裁判見学会」のキャンペーンで、チラシ入りクリアファイルを配っていたのです。クリアファイルってのがいいですね。お堅い職業の人が、なんとか注目してもらおうと知恵を絞っている様子が目に浮かびます。

 「裁判員制度」ってどんなものか、ご存知ですか?私は知りませんでした。「陪審制度」ならば映画「12人の怒れる男たち」などで見たことがあります。弁護士が主人公のアメリカのテレビドラマ「アリー my Love」でも「評決が出ました」という法廷シーンがよく出てきました(その「アリー」では弁護士の一人が「陪審員に選ばれたって電話なら『死んだ』って言っといて」なんて言うシーンもありますが)。
 では、陪審制度と裁判員制度はどう違うのか、なんていうレベルになると、私はまったく理解できないのです。

 法務省の「あなたも裁判員!!」というサイト(すごいタイトルですね。「あんたが大将!」みたいで)でQ&Aコーナーがあって、そこがわかりやすいのですが、そこを見ると、
裁判員制度は,国民から無作為に選ばれた裁判員が,殺人,傷害致死などの重大事件の刑事裁判で,裁判官と一緒に裁判をするという制度です。

 なんて書かれています。すなわち、この被告は死刑か、無期懲役か、はたまた無罪かなんてことを普通の国民が裁くのです。これは全然知らなかった。てっきり民事訴訟か、行政訴訟か、刑事事件でも比較的軽い犯罪かと思っていました。これには相当驚きました。

 この裁判員、「一生のうち、裁判員に選ばれる確率は67人に一人」(「All About」の辻雅之氏)だそうです。標準的な学校での2クラスの生徒のうち一人はまず選ばれ、被告の運命を決めるのです。
 もちろん、自分が被告になる可能性もあります。冤罪事件で起訴されることもありうるわけですから。逆に被害者やその遺族になることもあります。そのときに、たとえば私のような法律のズブの素人に「おまえは無罪!」「おまえは懲役○年、執行猶予ナシ!」なんて決められるのです。
 これは、ちょっと考えただけで恐ろしいことです。

 しかしながらこの裁判員制度、プロの法律家(裁判官、弁護士、検察官ら)による裁判がなにかと問題が多いからできたのだそうです。とはいえ、ただでさえ裁判なんかには縁が薄い生活をしている善良な市民(小市民ともいう)の私には事の重大性がイマイチはっきりしません。やっぱりこの目で見ないことには何もわかりません。

 静岡地裁浜松支部での模擬裁判は6月6日(火曜日)です。ちょうど仕事が休みなので、見学会に応募してみます。募集人数は40人程度とのことなので、当選するかどうかわかりませんが、もし抽選に当たったらリポートします。

 関連サイト
  最高裁判所裁判員制度ホームページ http://www.saibanin.courts.go.jp/
  日弁連裁判員制度ホームページ http://www.nichibenren.or.jp/ja/citizen_judge/

 陪審制度については現役弁護士でミステリ作家の中嶋博行氏の小説『司法戦争』(講談社文庫)がおすすめです。法律用語が多くてやや難しいですが、重厚なエンタテインメント小説です。


 

交通格差社会

カテゴリー │静岡の話題

 不安定な天気が続いています。当地では昨日も雨、今日も雲行きがあやしい天気です。

 いつも仕事のときは駅まで20分の道のりを歩いていきます。ウォーキングならば健康にいいのですが、ただ車を運転できる体でないからトボトボ歩いているというだけです。あちこちで「オマエが歩いているとこ見たぞ。毎日たいへんだなあ」と言われます。なんだか名物になっているようです。観光資源にならないかな?私の歩いているところを見るとご利益があるとか。お金や食べ物をくれると功徳になるとか。お遍路さんかいな。

 でも、雨の時にはさすがにそうもいかず、路線バスに乗って職場に行きます。
 ところが、夜は、路線バスがないのです。
 この春の改正で、土・日・祝日は、夜8時でバスの運行が終わってしまいました。それ以後は、ズボンの裾を濡らしながら駅まで歩くか、高い金を払ってタクシーを呼ぶしかありません。
 車に乗れない体の人、運転できない年配者、車を持てない貧困層や学生は土曜の夜は仕事や遊びに行くなってこと?家で「めちゃイケ」でも見てろってこと?そりゃあんまりです。


 

冷凍みかんの歌

カテゴリー │音楽

 ゴールデンウィークの前ごろあたりに、どこかで「冷凍みかん」の歌を聞きませんでしたか?
 静岡県内の方ならたぶん聞き覚えはあると思います。
 車で通勤している人や、ドライバーの人なら、ラジオからよく流れてきたのを知っているのではないでしょうか?
 「K-MIX」という静岡のラジオ局でよく流れていた(といっても私はラジオはほとんど聴かないが)曲です。
 やや遅きに失した感もありますが、今回の本館更新ではそれを取り上げました。

 芸能総研レビュー「冷凍みかん」芸能問題総合研究所

 強引といえば強引、独創的といえば独創的な解釈です。おそらくこんな聴き方をする人は私のほかにいないでしょう。まあそれもいいんじゃないかと思っています。芸術・芸能の解釈に正解などないのですし。

 それから、いつも恒例のトップページのコピーですが、今回は都合により間に合いませんでした。後日ひっそりとコピー部分だけ更新しますんで・・・m(__)m

 どうでもいいのですが、ネットでちょっと検索してみたら、給食に冷凍みかんが出るところは日本中にあるみたいですね。当地がみかんの産地だから特殊なのかなと思っていたのですが。
 ちなみに当地では静柑連の100%みかんジュースが土曜日の昼に配られていました。三角パックにストロー突っ込んで、チュ~ッと吸うとパックがへこむっていうものです。あれが楽しみで一週間学校に行ってたようなものでしたから。給食でみかんというと、冷凍みかんよりもみかんジュースのほうが印象に残っています。今でもあるのかな?ほかのみかんの産地でもジュースが出たのかな、愛媛ならばポンジュースとか?


 

悪の女王、逝く

カテゴリー │放送

 曽我町子さんが亡くなられました。

 「訃報:曽我町子さん68歳=「オバQ」初代声優」(「Mainichi INTERACTIVE」5月8日)

 記事では「初代オバQ」の声優と紹介されていましたが、私はオバQはリメイク版の世代なので(声優は天地総子さん)、「なつかしのアニメ大全集」といったテレビ番組をちょっとだけ見たくらいです。
 その代わり、曽我町子さんといえば私の場合、戦隊モノでの「悪の女王」役です。「電子戦隊デンジマン」「太陽戦隊サンバルカン」など、小学生のころに毎週見ていました。巨大化した怪人が戦隊ヒーローに倒されたあと、「ぅぉのれ~、覚えてろ~!」と、悪の秘密基地で歯軋りしながら地団駄を踏んでいたお約束の場面が大好きでした。
 悪の組織の総元締めといえば、本当ならば恐怖の存在であるはずなのに、不必要なほど誇張された衣装やメイク、そして曽我さんのオーバーアクションが滑稽で、なんだか近所のおっかないオバサンが暴れてるという印象がありました。とにかく強烈で、だから今なお強く記憶に残っていますし、「この人誰だろう?」と、小学生ながら最後のエンドテロップで確認していたので、曽我さんの名前も存じ上げているわけです。


 

血は争えない?

カテゴリー │映画・演劇・その他

 父が映画「男たちの大和」のロケが行われた広島県の呉と尾道に旅行に行ってきました。
 呉には「大和ミュージアム」があり、また、尾道は原寸大の戦艦大和のセットが作られ、どちらも観光客が押し寄せているそうです。
 映画のロケ地巡りとは、なんとも親子の血は争えないなあ……。

 いや、本当のところは、父の親友のSさんが映画を観て感動し、ロケ地を巡るツアーに誘われたというのが真相です。
 父は映画どころかレンタルビデオすら観ない人です。情報や娯楽は金を出して買うという発想がまったく欠如している昔の人です。寅さん映画が好きなのですが、それすらテレビでの放送でしか見ません。私が小学生の頃、「ドラえもん」の映画に連れてってとせがんだときも「じきにテレビでやる(放送する)に、(映画館にまで行かなくても)いいに」(遠州弁)と渋ったものです。
 もちろん「男たちの大和」も観ていません。今回旅行に行くことになって、映画の話をしたら、「じゃあビデオが出たら観てみるか」と言ってました。もちろんDVDなどというハイカラなものを知りません。

 「男たちの大和」は、若い人にも好評ですが(ロケ地にも若い人が大勢バスで来ていたらしい)、父にこそ観てもらいたい映画です。
 父はすでに定年退職し、年金をもらっている年齢です。戦争も、兵隊ではありませんが、直接体験しています。その父が、どんな感想を持つか、知りたいものです。
 いやね、戦争にとられたり、ひどい被害に巻き込まれたり、あるいは加害者になったりした人たちっていうのは、特別な人ではなく、父のような、多少の波はありながらも平々凡々と生涯を送った、決して歴史の教科書に名前が載らない人が大半だと思うのです。
 そんな人たちの思いこそが大事だと思うのです。

 で、旅行のついでに、私がひそかに集めているピンバッジをお土産に買ってきてもらいました。

 たぶん売ってないだろうなーと思いながら、ダメ元で頼んだら買ってきてくれました。
 ありがたいのですが、いったいコレ、なんの図柄ですか?大和の船首の紋章ではもちろんないし。海軍の制帽のマークかな?ご存知の方、教えてください。


 

朝屋台

カテゴリー

早朝の鍛冶町通り。あ〜俺も入りて〜!




 

どこが連休じゃー!

カテゴリー │いろいろ

 いま、家にいます。熊野の長藤にも行きたいし、明日からは県西部最大のイベント「浜松まつり」があるのですが、仕事です(ひえーん!凧場行きたいよー!練りに行きたいよー)。
 世間様では大型連休と言われていますが、私とは縁のない生活です。

 でもこれ、私だけではないのですね。職場で多くの人とお会いしますが、製造業のひとはみんな連休です。
 (親会社も休めば関連会社のラインもストップさせなければなりませんから。トヨタのジャスト・イン・タイム方式では「みんなが休んでいるときにガッポリ儲けよう」という発想はできません。下請け製造業で働いたときに、この時間的ロスはもったいないなーと思っていたものです)。
 ところが、公務員や金融業の方はカレンダー通りです。サービス業や運送業は、今が稼ぎ時なので休みなんてありません。たとえば私はサービス業、ウチの弟はメーカー勤務ですが配送もしていますので休みなしです。
 「世間様はゴールデンウィーク」なんて書きましたが、ライフスタイルも働き方も多様化したときに、「世間スタンダード」なんてないんだろうなーなんてボヤいています。

 とりあえず、今年は叫べそうにないので、先に叫んでおきます。

 「やいしょー!!!」 

 ちなみに、どうして家にいるかというと、今日が通常通りの休みで、パソコンに向って某役所に提出する資料を作っていたからです(こちらの文章を参照)。
 裁判資料にならなければいいのですが……。