誰がAKB48を襲ったか?

カテゴリー │社会音楽

 2014年ももうすぐ暮れようとしています。今年は私的な事情であまり芸能に関わることはできませんでした。ブログもあまり更新できず、猛省するばかりです。

 今年もいろいろな事象があり、多くのトリックスターが生まれました。移り変わりの早いマスメディアはもう誰も話題にしようとはしませんが、今年のアイドル界最大の事件といえば、AKB48の握手会でメンバーとスタッフ3人が重傷を負った襲撃事件です。

 メンバー、関係者が早く忘れたがっているのか、誰も触れようとはしません。犯人像や動機なども、警察のリークを通じた報道や裁判の傍聴記事からしかわからず、そのニュースですら今ではほとんど流れてきません。

 しかし、テレビやネット画像に写る生々しい傷跡や、スタッフが提供するかすかな情報から、いまだ深刻な状況にあることがうかがえます。また、単なる1アイドルグループの問題だけでなく、すべての表現者への挑戦であることは私も記しました

 あれから半年が経ち、何事もなかったかのように時間は動いていきます。AKBの新曲は発売され、誰が選抜入りするか、センターは誰かとマニアの中では盛り上がっています。心配された表現規制や委縮の動きも大きくはならず、一時のブームは過ぎたとはいえ、他の女性アイドルグループの活躍も伝えられます。

 ひとつの事柄にこだわり続けるのはよくないのですが、どうしても心の中で引っかかり続けることがあります。

 実は当時、AKB48は衰退がささやかれていました。発足当初からの主力メンバーが脱退し、世代交代を担う若いメンバーが一般の人たちにあまり認知されていない状況でした。タレントの有吉弘行が原子力ムラならぬ「AKBムラ」と上手い表現をしていましたが、コアなファンの中だけで盛り上がり、外側に広がりを持たないマニアックなグループになりかけていました。

 恒例となった「選抜総選挙」について外資系コンサルタントが興味深い論文を寄稿しています(「AKB総選挙、一般層とコアファンで関心二極化? 得票分析からみえる、AKBの課題」)。論文内のデータ分析は私の専門外ですし、細かい議論の筋道にはやや異論がありますが、結論はほぼ納得できます。すなわち、マニア化しているということです。

 そして、あまりにも有名な言葉を想起させます。V字回復を果たした新日本プロレスの木谷高明元会長の「すべてのジャンルはマニアが潰す」です。

 握手会襲撃事件があったのは、その「総選挙」のわずか2週間前です。思ってもみない形でグループもメンバーも注目を浴びました。え?話題作りのためにメンバーが大ケガを負ったのかって?あれはやらせなのかって?そんなわけありません。

 AKB48は、障害を乗り越えていく様子をメンバー・スタッフ・ファンが共有して共感を誘う、ひとつのリアリティ・ショウでした。スタッフが仕掛けたものもありますし、内輪の意図を超えて実際にグループが存亡の危機に立ったこともあります。それらをすべて表に出し、ファンと共に成長する「物語の消費」こそが、AKB48が受けた最大の理由です(本当にすべて表沙汰にするかはともかく)。

 人気メンバーが泣きながら過酷な試練を克服する様子も、選抜メンバーから落とされたメンバーが奮闘する模様も、週刊誌のスキャンダルも、すべては「逆境に耐え、一致団結し、困難を乗り越え成長する」というサクセスストーリーへと収斂されていきます。まるで、殺人事件さえも自分が伸し上がるネタにしてしまうミュージカル映画「CHICAGO」のように。

 事件後、犯人の意思とは無関係にAKB48は注目度が上がりました。被害に遭ったメンバーは「総選挙」の順位を上げ、仕事も好評です。映画でも好演し、テレビドラマにも出演しています。イベントもCMキャンペーンも多彩なものが企画され、一般の人の興味も惹き続けています。

 では、あの事件はどう考えればいいのか?

 ひとつ間違えれば死者が出た、そうでなくとも心身に大きな傷を残した、あの凶行は僥倖だったのか?

 表現の自由へのテロともいえる事件を「災い転じて福となす」(「逆転力」!)で済ませていいのか?

 総合プロデューサーの秋元康氏は明確に回答を示しています。AKB48の活動の裏側を映した映画に使用されている、秋元氏得意の自己言及ソングです。



AKB48「愛の存在」(作詞・秋元康)

 ザッツ・エンタテインメント。電卓を叩きながらそうつぶやく秋元氏の顔が浮かんできます。

 来る2015年も芸能問題総合研究所をよろしくお願い申し上げます。




 

クイズ芸能総研2014総集編

カテゴリー │クイズ芸能総研

 師走のあわただしい中、今年も恒例の「クイズ芸能問題」の季節がやってきました。今年は少し甘口かな?芸能といいましてもいろいろと取りそろえてありますので気軽に遊んでみてください。

第1問【音楽】
 Dream5の「ようかい体操第一」やAKB48の「心のプラカード」の振付師は誰でしょう?

第2問【映画】
 時代劇の斬られ役として数多くの映画に出演して「5万回斬られた男」と呼ばれ、初主演映画「太秦ライムライト」でファンタジア国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した俳優は誰でしょう?

第3問【テレビドラマ】
 NHKのテレビドラマ「マッサン」の劇中で使用されたこのポスターに起用され話題になったグラビアアイドル・女優は誰でしょう?(画像をクリックすると拡大されます)


第4問【CM】
 ダイハツ工業「タントカスタム」のCMでロケに使われた、鳥取県境港市と島根県松江市を結ぶ「ベタ踏み坂」の正式な名前は何でしょう?

第5問【バラエティー番組】
 フジテレビ「笑っていいとも!」最終回での、タモリの最後の言葉は何だったでしょう?

第6問【書籍・雑誌】
 坪田信貴「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の「ビリギャル」ことさやかちゃんが合格したのは慶應義塾大学のどの学部でしょう?

第7問【演劇】
 ももいろクローバーZ主演で来春映画化・舞台化される、高校演劇部の生徒を描いた小説「幕が上がる」の原作者でもある劇作家は誰でしょう?

第8問【スポーツ】
 田辺誠一が描いたこのスポーツ選手は誰でしょう?(画像をクリックすると拡大されます)


第9問【食べ物・飲み物】
 サンリオの人気キャラクターで、「ぐでたま」は卵ですが、「KIRIMIちゃん.」は何の切り身がモチーフでしょう?

第10問【ファッション】
 吉田山田の「日々」で、おばあさんが編んだ、おじいさんのお気に入りの衣料品は何でしょう?

第11問【学問】
 岸見一郎・古賀史健による「嫌われる勇気」などで紹介され今年広く知られた、フロイト、ユングと並んで「心理学の三大巨頭」の一人と称されるオーストリア出身の心理学者は誰でしょう?

第12問【国際政治】
 「美人過ぎる検事総長」とネットで話題になり、日本ではアニメ風イラストも多く作られたナタリヤ・ポクロンスカヤさんはどこの国の人でしょう?

第13問【地方公共団体】
 広島県の「泣ける!広島県」キャンペーンでガイドブックを配布し大人気となりました。その表紙に掲載された、広島県出身のミュージシャンは誰でしょう?

第14問【IT・インターネット】
 最新のバーチャル・リアリティ技術で作られた仮想空間とキャラクターがリアルすぎると物議をかもし、東京ゲームショウでのデモが中止となったバンダイナムコゲームズの家庭用ゲームソフト「サマーレッスン」の舞台はどこでしょう?

第15問【マンガ・アニメ・ゲームその他】
 流行語にもなった「壁ドン」の火付け役となった、「別冊フレンド」に連載されている渡辺あゆのマンガは何でしょう?

第16問【お悔やみ】
 やしきたかじんがテレビ朝日「M10」で、スタジオに用意されていないと激怒しスタッフを殴ったりセットを壊したりと暴れた調味料は何でしょう?

第17問【お悔やみ】
 永井一郎は声優の待遇改善の運動にも熱心でした。1988年に発表した手記で明らかにした彼の年収はいくらでしょう?

第18問【お悔やみ】
 宇津井健が白い全身タイツに身を包み主役を演じ、後に関根勤らが股間の「モッコリ」を話題にした、子供向けスーパーヒーロー物映画シリーズは何でしょう?

第19問【お悔やみ】
 赤瀬川源平により提唱された、外国人野球選手にその名が由来する、なぜ存在するのかが不明な無用の長物や概念を何と言うでしょう?

第20問【お悔やみ】
 日本テレビ「ザ!鉄腕!DASH!!」の企画「DASH村」に出演、「まだまだ」の口癖でTOKIOに農作業を指導し、「6人目のTOKIO」とも言われた福島県浪江町の農家は誰でしょう?
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