「いいひと。」のファンとして必要なこと

カテゴリー │社会

 いつまでもこの話題を引きずるのはどうかと思うのですが、一般論として聞いてください。

 「「草なぎクン、なぜ逮捕したの?」警察に女性ファンの抗議殺到」(「読売新聞」24日)
 「【SMAP草なぎ逮捕】「なぜ家宅捜索」赤坂署にファンから電話殺到」(「MSN産経」23日)

 気持ちはわかる。ものすごく気持ちはわかるのです、が、やり方がまずい。
 たぶん今回の場合、本人も頭を冷やして反省しているでしょうし、社会的制裁も多く受けているので、起訴猶予とか略式起訴あたりではないのでしょうか。正式裁判となっても、相当に軽い刑になるでしょう(と思う。法律には詳しくないので断言できませんが)。
 ただし、検察官も裁判官も人間です。アイドルマニアの中にはかなりヤバイ人もいます。そんな人が、執拗に抗議電話をかけたら、どうなるか?白に近いグレーが、黒に変わってもおかしくありません。

 昨年、ジャニーズのあるアイドルグループと遭遇したことを書きました。どのチャンネルを付けても出ていますし、映画でも大活躍している人たちです。その人たちには何の悪意もありません。
 しかし、高圧的に仕切っていたジャニーズ事務所の連中にはいい思いを持っていません。私はたまたまそこに出くわしただけなのに、やれロープからはみ出すなだの、ケータイはしまえだの、いったいオマエら何様だと反発しました。もちろん口には出しませんでしたが。
 でも、それもまた仕方がないなかとの思いもあります。あれだけの大人気アイドルですから、ものすごいファンがいます。その中のごく一部だとしても、常識が欠如した人や、狂信的な人が混じることもあります。ファンクラブのイベントならばまだしも、公的な場でそいつらを排除できないのなら、全体を締め付けるしかないのも仕方がないのかとも思えます。
 そして結果として、アイドルとファンとの距離はどんどん遠くなっていきます。
 事務所の管理が強まるのは、ファンに原因があるとも言えます。

 草彅くんのファンは、警察などに、「抗議」でなく、「嘆願」(お願い)をするべきです。
 書式なんて礼を失してなければどうだってかまいません。完璧だけども無味乾燥なビジネス文書よりも、小学生が鉛筆で書いた作文のほうが読み手の目を引くことも多いのです。
 実際、裁判では被告人への嘆願書が情状を左右したりもします。繰り返しますが、警察官も検察官も裁判官も人間ですから。
 そして、嘆願書のあて先は、警察や検察だけでなくてもけっこうです。ジャニーズ事務所のジャニー喜多川さん、レギュラー番組を持っていたテレビ局やラジオ局、草彅くんをCMに起用していた企業の宣伝担当部署など、いろいろ考えられます。
 「最低の人間」呼ばわりした鳩山総務大臣宛てでもいいでしょう。あの人はコワモテですが人情派のようですし、ファンの気持ちはわかってくれると思いますよ。ただし、くれぐれも感情的にならないように。

 ちょっとしたテクニックを。電話やメールよりも、直筆の手紙のほうが気持ちが伝わります。「拝啓」ではじまり「敬具」で終わるのがもっとも一般的ですが、若い方の場合、失礼でなければあまりこだわらなくてもいいと思います。真面目で真摯な気持ちを伝えることを第一に。丸文字や変体文字は避けるように。顔文字などもってのほかです。あとは下手でも気持ちがこもっていればいいでしょう。

 「抗議」とか「糾弾」とかの固い姿勢だと、相手も強ばらせてしまいます。マスコミが抗議に怯えて事なかれ主義になっているのは、抗議する団体にも責任があると思います。
 災い転じて福となす。草彅くんはたぶんテレビのイメージ通りの「いいひと。」だと思います。ファンも、他のアイドルのファンのお手本となるような、「いいひと。」であってほしいと願います。


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