2020年05月03日09:00
凧よ、舞え≫
カテゴリー │静岡の話題
静かな五月晴れ。浜松の空には毎年、幾多もの大凧が舞う季節なのに、今年は不気味なくらいの静寂さです。
当地ではGWに浜松まつりというイベントがあります。
昼は初子誕生を祝う大凧を揚げ、連や組(町内会)の誇りを賭けて、他の連と糸切り合戦をする、勇壮なものです。
夜は御殿屋台の引き廻しです。「激練り」と呼ばれる、ラッパや太鼓のリードに合わせて若い衆が先導して盛り上げ、絢爛豪華な屋台から、優美なお囃子が聞こえてきます。
全国から何百万人もの観光客が訪れます。
ですから「三密」は必然です。早々に今年の祭典は中心が決定し、市民も仕方がないと受け止めています。
浜松で勤務していたとき、ライバル企業が地元の自治会と組んで、地域のまつりムードを盛り上げていましたのを恨めしく眺めていました。
「よーし、ウチも!」と思いましたが、伝統あるまつりです。色々としがらみがあって、余所者の参入は難しかったりします。
負け惜しみのように、地元連の凧印(マーク)のある小さな人形を土産物屋で買ってきて、目立たないように貼っただけでした(※こんなの)。
「いつかは売り上げドーンと大きくして、たっぷり寄付して、ウチの名前をでっかく入れたいですね」
親しかった他店の店長と、そんな話をしました。大口寄付の企業は、先導する車や若い衆が持つ連の旗や屋台の大提灯に「贈 ○○株式会社 浜松支店」と、スポンサー名が入っています。
お世話になっている浜松や地元のお客様への恩返し、堅く言うと地域貢献を考えていました。
そこには足掛け9年勤め、隣の市に転勤になりました。不思議なもので、勤務地域が替わると、興味も失いました。
しがらみや浜松市民の排他性といった、イヤな面を垣間見たこともあったかもしれません。
「あの音(激練りに使うラッパ)の音を聞くだけでイヤになる」
常連客とも、そんな話をしたことがあります。
それでも。
GW期間に居残り当番だったとき、外からお囃子が流れてきました。仕事を放り出して、御殿屋台を見に行きました。
100台以上の屋台が集う引き廻しイベントから、三々五々に別れて、自分たちのまつりに戻ります。そこにはさびしさすらありました。
まつり大好きな人は、3日間のために362日を過ごします。それは、一生にとって刹那の時間です。短い人生の瞬間を生き抜くために、凧を揚げなくてはと、部外者になった今でも思うのです。
来年こそは、凧が舞いますように。
……………
※文中のミニチュア人形はスミダ工芸というところで作っているようです。おすすめのお土産です(画像は無断転載です。すいません)。
参考→https://hyakujyu.hamazo.tv/a4410256.html
当地ではGWに浜松まつりというイベントがあります。
昼は初子誕生を祝う大凧を揚げ、連や組(町内会)の誇りを賭けて、他の連と糸切り合戦をする、勇壮なものです。
夜は御殿屋台の引き廻しです。「激練り」と呼ばれる、ラッパや太鼓のリードに合わせて若い衆が先導して盛り上げ、絢爛豪華な屋台から、優美なお囃子が聞こえてきます。
全国から何百万人もの観光客が訪れます。
ですから「三密」は必然です。早々に今年の祭典は中心が決定し、市民も仕方がないと受け止めています。
浜松で勤務していたとき、ライバル企業が地元の自治会と組んで、地域のまつりムードを盛り上げていましたのを恨めしく眺めていました。
「よーし、ウチも!」と思いましたが、伝統あるまつりです。色々としがらみがあって、余所者の参入は難しかったりします。
負け惜しみのように、地元連の凧印(マーク)のある小さな人形を土産物屋で買ってきて、目立たないように貼っただけでした(※こんなの)。

「いつかは売り上げドーンと大きくして、たっぷり寄付して、ウチの名前をでっかく入れたいですね」
親しかった他店の店長と、そんな話をしました。大口寄付の企業は、先導する車や若い衆が持つ連の旗や屋台の大提灯に「贈 ○○株式会社 浜松支店」と、スポンサー名が入っています。
お世話になっている浜松や地元のお客様への恩返し、堅く言うと地域貢献を考えていました。
そこには足掛け9年勤め、隣の市に転勤になりました。不思議なもので、勤務地域が替わると、興味も失いました。
しがらみや浜松市民の排他性といった、イヤな面を垣間見たこともあったかもしれません。
「あの音(激練りに使うラッパ)の音を聞くだけでイヤになる」
常連客とも、そんな話をしたことがあります。
それでも。
GW期間に居残り当番だったとき、外からお囃子が流れてきました。仕事を放り出して、御殿屋台を見に行きました。
100台以上の屋台が集う引き廻しイベントから、三々五々に別れて、自分たちのまつりに戻ります。そこにはさびしさすらありました。
まつり大好きな人は、3日間のために362日を過ごします。それは、一生にとって刹那の時間です。短い人生の瞬間を生き抜くために、凧を揚げなくてはと、部外者になった今でも思うのです。
来年こそは、凧が舞いますように。
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※文中のミニチュア人形はスミダ工芸というところで作っているようです。おすすめのお土産です(画像は無断転載です。すいません)。
参考→https://hyakujyu.hamazo.tv/a4410256.html