3000円で何が観れるか?

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 ある落語家の独演会に行ってきました。それはともかく、チラシをながめていたら、入場料が3000円だったんですね。

 妥当な金額とは思いますが、何かと3000円前後の金額のエンタテインメント(広義の)が目に付いたんですね。

 3000円が高いのか安いのか。ちょっと並べてみましょう。

☆武道館で開催された「AKB48研究生公演」の「背中席」(2900円)

 「背中席」とは、ステージ後方にある席のことで、アイドルの背中しか見えないという、いわば「見切れ席」のことです。
 峯岸みなみや松村香織など名物メンバーもいるものの、研究生(見習い)の公演で、アイドルの顔も拝めない席を販売する主催者は阿漕だと思うのですが。
 案の定売れ残ったのですが、メンバーが思いの丈をネットに訴えて、なんとか完売したとか。いくらなんでも誠実さに欠けると言わざるを得ません。

☆「ももいろクローバーZ」西武ドームコンサートのライブビューイング(3500円)

 映画館でコンサートを中継するイベントです。私も観たのですが、全席指定の最前列右隅で、とにかく観にくくクビが痛かったことを覚えています。
 コンサートそのものは非常に規模が大きく豪華でした。観客もノッていて、サイリューム振り回して踊ったりしていたので、楽しかったです。また、映画館の観客向け動画も用意されていて、サービスも多くありました。
 いい席で観ることができたら廉価版といえども楽しいイベントです。

☆「ももいろクローバーZ」のアルバム「5TH DIMENSION」(初回盤3500円、通常盤2800円)

 上記のコンサートに先立って発売されたももクロ2枚目のアルバムです。CDが売れない中でも買う価値がある数少ないグループです。
 700円出してもオマケがついている初回盤を購入するほうをお勧めしますが……。
 いろいろな人が口を揃えて言うのが、悪い意味でももクロさしさが欠けているのです。遊びゴコロというか、「傾き(かぶき)」というか。前山田健一さん(ヒャダイン)の力がどれだけ大きいかというのがわかります。

☆百田尚樹の小説『海賊とよばれた男』(上・下巻で3360円)

 今年度本屋大賞受賞作品です。百田氏の本はほとんど読んだことがないのですが、出光興産の創業者がモデルということで、近代史好きの私としては食指が動くのですが……。
 何年かしたら文庫版が出るからそれまで待てばいいかな、なんて思ったりしています。最近の小説が文庫になるサイクルって速いですからね。
 (余談ですが自費出版ビジネスを扱った『夢を売る男』はテーマに興味があったのでハードカバーを買いました。軽めですが上手い作風です)

☆論文集『メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災』(東京大学出版会・3570円)

 いま一番買おうかどうしようか真剣に悩んでいる本です。
 東日本大震災や原発事故で、特にローカル放送がどのような役割を果たしたかを、学者やラジオ・テレビの関係者が記したものです。特に個人的には岩手放送のラジオの記録が非常に惹かれます。
 昔ならばこのくらいの値段の本はポンと買ってしまったのですが、ちょっと金欠気味で……。学生時代ならば図書館に置いてもらって必要なところだけコピーを取ったりしたのですが、近所の市立図書館は入れてくれないだろうなあ。
 どうしようかな、買っちゃおうかな・・・。
 (追記・結局買っちゃいました)

☆東京の寄席(定席)の木戸銭(約3000円)

 寄席のいいところは、365日いつでもやってることです。3000円あれば半日笑って過ごせます。
 田舎者の私としては、テレビでは観られないベテラン名人やブレイク前の若手落語家を大勢発掘しました。
 ただ、地方の落語会が隆盛で、実力派の噺家はあまり寄席に出られないため、スカスカの興行も……。
 少し前に入った某演芸場昼席はあからさまな下手と手抜き芸人ばかり出てましたから。これで3000円か、と思うと悲しかったです。

☆映画前売券2本分(1300円×2)

 だいたいこのあたりから雑になります。
 映画は当たり外れが激しいし、一日に観られる限度がありますから、衝動買いできにくいんですね。

☆天浜線一日乗車券(1800円くらい+始発・終着駅までの料金)

 気分が落ち込んだときに時々やるのが天竜浜名湖鉄道一日乗り降り自由のキップを買ってずっと乗ってることです。
 掛川・森から二俣を経由して奥浜名湖までぼんやり車窓を見ながら何もせず揺られているのです。
 エアコンも効いていて雨の心配もない。気が向いたら降りてもいいし。降りなくてもいいし。気楽なものです。

☆休日乗り放題きっぷで桜エビを食べてくる(2600円・食べ物代別)

 静岡地区で発売されているJR東海の乗り放題切符で春・秋の桜エビ料理を食べます。
 こまめに探せば安くて美味い桜エビの料理屋さんがあります。
 後はご自由に。富士山を見に行くのもよし、熱海で足湯につかるのもよし。ノープランで行きましょう。

☆Jリーグ・ジュビロ磐田のサッカー観戦(フリーゾーン当日券大人2800円)

 今季あまり調子がよくないジュビロ磐田ですが、そんなときこそ応援を。
 下駄履きでふらりと行けるのが地元民の特権です。ただちょっと高いかな、とオールドファンは思ったりして……。

☆富士登山3回(入山料1000円?×3)

 富士山が世界文化遺産に選定されることを受けて、環境保全にかかる費用を広く薄く登山者に負担してもらおうと入山料の導入が検討されています。
 1000円くらいの値段を考えているようですが、賛否両論で、まだ議論は煮詰まっていません。
 小学生の時に登ったことがある私は、1000円払ってでも登った方が絶対にいいと思います。もちろん、マナーを守ってですが。

 ……と、3000円前後で観賞できるものを並べてみました。人によってはリアル・クローズのお店を廻ったり、ラーメン屋のはしごをしたり、マンガ喫茶で一気読みしたりと、趣味嗜好によっていろいろ考えられるでしょう。

 「コスパ」という言葉が普通の人にも使われるように、たった3000円でも価値が厳しく問われるようになりました。音楽CDだって、こんなものに3000円もするのかと思えば、アイドルと3回握手できる権利が付いているだけで喜んで買う人もいるわけですから。逆にいえば送り出す側にとっては工夫ができるわけです。

 そう考えると楽しくなってきました。さあて、今度の週末は何をしましょうか。



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