2009年07月17日16:34
ももいさんへ・テレビの不思議≫
カテゴリー │放送
前回のコメント欄にテレビについてのご意見がありましたので、私のわかる範囲で考えてみようと思います。ただ私はテレビは専門ではないので、個人的な見解になってしまいますが。
その前に、基本中の基本です。誰の本に書いてあったか忘れましたが、非常にわかりやすいことです。
・民間放送は、広告を放送しています。
・広告主は、商品や社名やブランド価値を売るためにお金を出しています。
・でも、広告だけでは誰も観てくれないので、広告を観てもらうために、番組を放送します。
これですべて説明できるでしょう。要するに民放テレビはすべて広告なのです。
島田紳介の番組で、出演者の「うまいっ!」などのリアクションが画面に大写しになってその商品がヒットしました。スポンサーからクレームが来ないのかとの話ですが、来るわけありません。スポンサーの競合他社の商品は、そもそもテレビに登場しません。森永製菓がスポンサーになっている番組で生キャラメルが紹介されたのを私は知りません。
通常番組のような広告を「インフォマーシャル」といいます。「information」と「commercial」をくっつけた造語で、日本の形態でいうと「生コマーシャル」のようなものです。広義では通販番組とか、みのもんたがやっていた健康番組がそうです。雑誌でいうとパブリシティでしょうか。
ただ、あまり露骨にやりすぎると逆に視聴者が引きます。やはり、商品そのものがよかったのと、紹介した司会者が上手かったからでしょうね。紳介さんもそうですし、みのもんたさんも、それから最近なら「Perfume」の火付け役になった木村カエラあたりもそうでしょう。
で、話が横道にそれましたが、タレント知事が重宝される理由も簡単ですね。人気があって、視聴率が上がるからです。番組(と広告)を観てくれる人が多くなるから、放送局はタレント知事をテレビに出したがるのです。
「タレント社長」氏の本にありましたが、広告代理店の調査によると、新聞のラジオ・テレビ欄に「東国原」の3文字が載ると視聴率が稼げるのだそうです。ホントかどうかわかりませんが。
大阪の橋下知事は、就任当初、東国原知事のようにさかんに地場産品を宣伝していましたが、やがて身内の大阪府教育委員会や文科省や国交省を激しく罵るようになりました。無謀でも攻めの姿勢を打ち出したほうがテレビ的にも映えますからね。たぶん、所属している(た?)爆笑問題の事務所が知恵を付けたのでしょうが。
ということは、多くのタレントと同じように、視聴者に飽きられたら使い捨てにされます。東国原知事がいまその瀬戸際にいることは説明御無用でしょう。
テレビ局主催のイベントの件はちょっと質問意図がわかりませんでした。放送局の事業はたいていCMにも名前は出ますから。「主催・テレビ静岡事業部」とか「後援・静岡新聞社・SBS静岡放送」などと。そうではなく、通常番組の中での情報を装った宣伝のことでしょうか?これはもう「インフォマーシャル」だと割り切ってしまうしかないですね。「テレビ静岡の番組内での宣伝だから、テレビ静岡の主催イベントなんだ」と。
ただここには問題がありまして、娯楽番組やワイドショーではなく、普通のニュース(ストレートニュース)の中で自社のイベント紹介をされると、ちゃんとしたニュースなのか、それとも宣伝なのかと非常に混乱します。
最近「You Tube」で変なニュース映像を観ました。北海道の放送局のニュース番組ですが、太平洋戦争の真面目なニュースにかこつけて、実は自社が主催する鳥肌実という芸人のライブの宣伝だったというものです。これは倫理的に問題があるでしょう。報道は報道、広告は広告と、はっきりとした形でなくとも視聴者にわかるように伝えるべきです。
さて、ももいさん。
ここまで記したことは、実はご自身でもうすうす気付いていたのではないのですか?
その前に、基本中の基本です。誰の本に書いてあったか忘れましたが、非常にわかりやすいことです。
・民間放送は、広告を放送しています。
・広告主は、商品や社名やブランド価値を売るためにお金を出しています。
・でも、広告だけでは誰も観てくれないので、広告を観てもらうために、番組を放送します。
これですべて説明できるでしょう。要するに民放テレビはすべて広告なのです。
島田紳介の番組で、出演者の「うまいっ!」などのリアクションが画面に大写しになってその商品がヒットしました。スポンサーからクレームが来ないのかとの話ですが、来るわけありません。スポンサーの競合他社の商品は、そもそもテレビに登場しません。森永製菓がスポンサーになっている番組で生キャラメルが紹介されたのを私は知りません。
通常番組のような広告を「インフォマーシャル」といいます。「information」と「commercial」をくっつけた造語で、日本の形態でいうと「生コマーシャル」のようなものです。広義では通販番組とか、みのもんたがやっていた健康番組がそうです。雑誌でいうとパブリシティでしょうか。
ただ、あまり露骨にやりすぎると逆に視聴者が引きます。やはり、商品そのものがよかったのと、紹介した司会者が上手かったからでしょうね。紳介さんもそうですし、みのもんたさんも、それから最近なら「Perfume」の火付け役になった木村カエラあたりもそうでしょう。
で、話が横道にそれましたが、タレント知事が重宝される理由も簡単ですね。人気があって、視聴率が上がるからです。番組(と広告)を観てくれる人が多くなるから、放送局はタレント知事をテレビに出したがるのです。
「タレント社長」氏の本にありましたが、広告代理店の調査によると、新聞のラジオ・テレビ欄に「東国原」の3文字が載ると視聴率が稼げるのだそうです。ホントかどうかわかりませんが。
大阪の橋下知事は、就任当初、東国原知事のようにさかんに地場産品を宣伝していましたが、やがて身内の大阪府教育委員会や文科省や国交省を激しく罵るようになりました。無謀でも攻めの姿勢を打ち出したほうがテレビ的にも映えますからね。たぶん、所属している(た?)爆笑問題の事務所が知恵を付けたのでしょうが。
ということは、多くのタレントと同じように、視聴者に飽きられたら使い捨てにされます。東国原知事がいまその瀬戸際にいることは説明御無用でしょう。
テレビ局主催のイベントの件はちょっと質問意図がわかりませんでした。放送局の事業はたいていCMにも名前は出ますから。「主催・テレビ静岡事業部」とか「後援・静岡新聞社・SBS静岡放送」などと。そうではなく、通常番組の中での情報を装った宣伝のことでしょうか?これはもう「インフォマーシャル」だと割り切ってしまうしかないですね。「テレビ静岡の番組内での宣伝だから、テレビ静岡の主催イベントなんだ」と。
ただここには問題がありまして、娯楽番組やワイドショーではなく、普通のニュース(ストレートニュース)の中で自社のイベント紹介をされると、ちゃんとしたニュースなのか、それとも宣伝なのかと非常に混乱します。
最近「You Tube」で変なニュース映像を観ました。北海道の放送局のニュース番組ですが、太平洋戦争の真面目なニュースにかこつけて、実は自社が主催する鳥肌実という芸人のライブの宣伝だったというものです。これは倫理的に問題があるでしょう。報道は報道、広告は広告と、はっきりとした形でなくとも視聴者にわかるように伝えるべきです。
さて、ももいさん。
ここまで記したことは、実はご自身でもうすうす気付いていたのではないのですか?
はっきりとはわからないものの、実はテレビにはウラがあることを。
たいていの人は、自分はテレビに騙されていると知っていて、あえて騙されているのです。
これは、いいとか悪いとかではありません。プロレスを観て「こんなの八百長だ!」と叫んだり、ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」のギャグに「嘘つけ!最初から上島がやるって決まってるんだろう!」と突っ込むことと同じくらい無粋なことです。
重要なのは、嘘を嘘と見破り、それを楽しむ力(メディア・リテラシー)を養うことです。
この絶好の教科書は、人気テレビ番組「アメトーーク」のDVDです。「○○芸人」なんて呼ばれる芸能人が、いかにテレビに映してもらうかとか、視聴率が取れる話をするかとか、そんな楽屋ネタがいっぱい出てきます。私はレンタルで観ましたが、面白かったです。
ついでに言うと、「オタク」と言われる人たちは、そういったテレビの見方をすでに四半世紀前に身につけていました。
私の得意なアイドルで言うと、おニャン子クラブが出てきたとき、仕掛け人の秋元康がメディアの裏側を「暴露」し、ファンが秋元の言葉通りにレコードを買ってオリコンチャート上位に入るのを応援するなど「メディア遊び」を共有していました。この一部のマニアだけの秘儀だったシニックなメタゲームが、「ウリナリ」「モー娘。」「AKB48」や声優アイドル・アキバ系アイドルなどを通じて一般化・低年齢化することで消費し尽くされ、飽きられています(声優アイドルはそうでもないですが。マニアはいつ飽きるんだろう)。
同じことは、アニメなどサブカルチャーの他にも、「笑点」「アタック25」のような老舗番組や、ニュース番組にも言えます。
広告媒体だったテレビが、広告そのものとして消費されている今のテレビも、同じ運命を辿ると思っています。
すなわち、テレビがまったく観られていないのは、多メディア化やデジタルメディアのせいではなく、メタ的な消費を誘因する番組ばかりで飽きられて、視聴者に見捨てられつつあるからです。
たいていの人は、自分はテレビに騙されていると知っていて、あえて騙されているのです。
これは、いいとか悪いとかではありません。プロレスを観て「こんなの八百長だ!」と叫んだり、ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」のギャグに「嘘つけ!最初から上島がやるって決まってるんだろう!」と突っ込むことと同じくらい無粋なことです。
重要なのは、嘘を嘘と見破り、それを楽しむ力(メディア・リテラシー)を養うことです。
この絶好の教科書は、人気テレビ番組「アメトーーク」のDVDです。「○○芸人」なんて呼ばれる芸能人が、いかにテレビに映してもらうかとか、視聴率が取れる話をするかとか、そんな楽屋ネタがいっぱい出てきます。私はレンタルで観ましたが、面白かったです。
ついでに言うと、「オタク」と言われる人たちは、そういったテレビの見方をすでに四半世紀前に身につけていました。
私の得意なアイドルで言うと、おニャン子クラブが出てきたとき、仕掛け人の秋元康がメディアの裏側を「暴露」し、ファンが秋元の言葉通りにレコードを買ってオリコンチャート上位に入るのを応援するなど「メディア遊び」を共有していました。この一部のマニアだけの秘儀だったシニックなメタゲームが、「ウリナリ」「モー娘。」「AKB48」や声優アイドル・アキバ系アイドルなどを通じて一般化・低年齢化することで消費し尽くされ、飽きられています(声優アイドルはそうでもないですが。マニアはいつ飽きるんだろう)。
同じことは、アニメなどサブカルチャーの他にも、「笑点」「アタック25」のような老舗番組や、ニュース番組にも言えます。
広告媒体だったテレビが、広告そのものとして消費されている今のテレビも、同じ運命を辿ると思っています。
すなわち、テレビがまったく観られていないのは、多メディア化やデジタルメディアのせいではなく、メタ的な消費を誘因する番組ばかりで飽きられて、視聴者に見捨てられつつあるからです。
この記事へのコメント
こんにちは。投稿と関係ないコメントをしてすみません。
また、色々と丁寧に解説・説明をしてくださり ありがとうございます。
メディアリテラシーは大切な事だっと思いますが、 まだまだ知らない人達の方が多いと感じます。
また、色々と丁寧に解説・説明をしてくださり ありがとうございます。
メディアリテラシーは大切な事だっと思いますが、 まだまだ知らない人達の方が多いと感じます。
Posted by ももい at 2009年07月17日 21:52
メディア・リテラシーを身に付けるのに最も適したことは、放送の作り手に回ってしまうことなんですね。公平中立のインタビューでも、実は取捨選択された画を制作者が恣意的に抜いているとかわかるんですね。ぜひ学校教育に取り上げてほしいと思います。
Posted by 大橋輝久
at 2009年07月18日 07:12
