「solbreveco」

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 市から配布された広報誌を開いて、思わず「おおっ」と叫んでしまいました。

「solbreveco」

 広報誌が化粧品会社の広告を取ってきたのか、とか、間違えて女性ファッション雑誌を見たのか、とか思って一瞬混乱してしまいました。
 何かといいますと、磐田市(旧福田町)の地場産業であるコーデュロイ・別珍生産が、新たにブランド「solbreveco(ソルブレベコ)」を立ち上げ展開していくという記事です。広報誌の中身は磐田市のサイトに掲載されていますのでこちら↓をご覧ください。
 http://www.city.iwata.shizuoka.jp/gov/10/060701/P02-09.pdf

 コーデュロイ、というよりはコールテンといったほうが私にはわかりやすいのですが、綿100%の、見るからに暖かそうな厚い凹凸のある生地で作られた服を秋冬によく見かけます。このコーデュロイは、国内の9割以上を旧福田町で生産しています。保温性には非常に優れていますが、反面、実用性第一で、オジサン・オバサンがよく着ている服という、ファッション性からはやや遠いイメージがありました。
 加えて、繊維産業の斜陽化や外国製の安い商品が入ってきて、国内の生産者は厳しい状況に置かれています。

 その状況を打開しようと、福田町商工会がブランド展開に乗り出しました。それが「solbreveco」ブランドです。東京都内の見本市に参加したり、大手セレクトショップで展示会をしたりアドバイスを受け商品を開発したりと積極的にPR活動をしています。
 とまあ、知ったかぶって書いていますが、実は私がそのことを知ったのはたった数ヶ月前、業界紙が取り上げていたのを読んだからです。それまでは福田町でコーデュロイが生産されていることすら知らなかったのです。ですから具体的な内容など何もわからなかったのですが、広報誌に掲載された大胆で斬新な(少なくともお役所の出版物には見られない)PR記事には鮮烈な驚きを覚えました。なかなかやるな、磐田市職員。

 ただ、シビアな見方をすると、お堅いお役所や泥臭い商工会の仕事だから意表を付かれたともいえ、ファッション雑誌の広告と比較すると、甘い点があります(「Can Cam」や「MORE」あたりと比べるほうが悪いのでしょうが、職業柄どうしても厳しく見てしまうのでそこのとろはご勘弁を)。それでもよくやっていると感心しました。
 今後のブランド展開が楽しみです。地方の田舎町がどこまでやれるか、興味を持って(そして厳しい目で)観察していこうと思っています。それから課題は、販路の開拓ですね。広告代理店やPR会社に大金を払ってエビちゃん優ちゃんもえちゃんに着てもらっても必ずしもブランドイメージが定着するわけではないので。営業力の強化に期待ですね。

 福田町商工会・solbrevecoブランドのサイト http://www.fukude.or.jp/slv/index.html


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この記事へのコメント
福田町商工会 福田JAPANブランド委員会
事務局伊藤です。
掲載ありがとうございます。又、貴重なアドバイスをいただきありがとうございます。
磐田市の広報課の皆さんが頑張って書いてくださいました。写真は無理を言ってこれにしていただきましたので、このように書いていただいてとてもうれしいです。
大橋様にも是非solbrevecoのジャケット着ていただきたいですね。
今後ともよろしくおねがいいたします。
URLはhttp://www.fukude.or.jpになりましたのでよろしくおねがいいたします。
Posted by 福田町商工会 伊藤里美 at 2006年07月18日 13:36
伊藤さま、こちらこそコメントくださりありがとうございます。
こういった市や商工会の意欲的かつ冒険的な楽しい取り組みは、ひとりの住民としても大歓迎で、民間の我々も負けてはいられないと大きな刺激を受けました。
solbreveco製品は他のサイトで商品写真を見ました。ファッションのことはわからないのですが、トラッドで目を惹くものがいくつもありましたので、これをご縁に着てみようか、なんて思っております。懐具合と相談の上ですが……。
Posted by 大橋輝久 at 2006年07月18日 23:59
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