2007年08月18日12:01
ゴーストライターの仕事お待ちしてます≫
カテゴリー │書籍・雑誌
みなさん毎日眠れてますか?私は睡眠薬に頼って寝てます。ああ、いかん。
あまりの熱さにパソコンに向かう気力もなかったのですが、今日は少しだけ曇っていて涼しいため、読書をしています。
しかしねえ、この本がまた、怒りで頭がどうかなっちゃうようなひどさなのです。
私の働く業界に関係するビジネス書で、大手企業や業界が行っている経理上の不正を追求している本で、ですから私も内実が少しばかりわかるのでなおさらひどさが目に付くのですが、ど素人の作文のような悪文なのです。
例えば、こんな記述があります。
「脱サラで加盟店になる方などはそのほとんどが会計音痴であり、本部企業が提示する予想損益書をまったく疑うことなく……(後略)」
この書き方からは被害者が無教養かつ無知蒙昧なあまりカモにされ騙された、哀れで情けない人だという印象を受けました。私の周囲にはそういう立場の人が何人もいますが、そこまで悪し様にけなされたら私も怒っちゃいます。
また、事実にも反します。「会計音痴」どころか商業高校を出ている人や企業で経理をしていた人もいます。当人が「会計音痴」でも従業員には日商簿記一級に合格した人も、元銀行員の人もいます。「まったく疑うことなく」とは、いったいどんなデータに基づくものでしょう。この業界の問題はしばしば新聞などでも報じられ、裁判もいくつも起こされています。専門家ではなくとも、そういう報道に接していれば、企業の言うことを「まったく」疑わない人がほとんどとは書けないはずです。
実は、筆者の言いたいことはこれとはまったく逆です。その業界での会計制度が一般的な会計処理とはかけ離れており、会計士や弁護士などの専門家ですら首をひねる内容であり、であるから経理部署とは縁がない大多数のサラリーマンにはなおさら理解できない不明瞭なものである、ということを主張しているのです。でも、表現が悪いのでこんなになっちゃうのです。
ちょっと上の一文を推敲してみましょう。
「脱サラでして加盟店になるする方などはそのほとんどが会計音痴であり経理や会計に詳しい人ばかりでなく、本部企業が提示する示す予想損益書をまったく疑うことなく鵜呑みにしがちで……(後略)」
↓
「脱サラして加盟する方は経理や会計に詳しい人ばかりでなく、本部企業が示す予想損益書を鵜呑みにしがちで……(後略)」
どうです?ちょっと手を加えるだけですっきりしたでしょう。
同書の筆者二名はこの問題を何年にもわたって追い続けており、スポンサーである企業の不正を報道しないマスメディアに代わって広く世に訴えようという努力は非常に素晴らしいものです。特に一人は当事者だった人でもあり、企業から告訴されたり嫌がらせを受けたりしながらも被害者の会を作ったりして精力的に活動しています。
しかしながら、その内容と、表現されたものは別です。せっかくの努力も、表現の仕方が悪ければ、受け入れられませんし、逆効果を招きかねません。
この場合は、せめてもうひとりの編集者やゴーストライターを付けられなかったのかと惜しくなります。専門領域に詳しくなくとも、日本語表記の基本的な部分だけでも直していれば、もう少しマシなものとなり、この問題の基本書として困っている人の手にも渡り、一般にも受け入れられたかもしれなかったのに、と思うのです。
そんなわけで私はしばらくこの悪文と格闘することになります。ああ、怒りのあまり頭が熱を持って余計に暑くなりそうだな。
あまりの熱さにパソコンに向かう気力もなかったのですが、今日は少しだけ曇っていて涼しいため、読書をしています。
しかしねえ、この本がまた、怒りで頭がどうかなっちゃうようなひどさなのです。
私の働く業界に関係するビジネス書で、大手企業や業界が行っている経理上の不正を追求している本で、ですから私も内実が少しばかりわかるのでなおさらひどさが目に付くのですが、ど素人の作文のような悪文なのです。
例えば、こんな記述があります。
「脱サラで加盟店になる方などはそのほとんどが会計音痴であり、本部企業が提示する予想損益書をまったく疑うことなく……(後略)」
この書き方からは被害者が無教養かつ無知蒙昧なあまりカモにされ騙された、哀れで情けない人だという印象を受けました。私の周囲にはそういう立場の人が何人もいますが、そこまで悪し様にけなされたら私も怒っちゃいます。
また、事実にも反します。「会計音痴」どころか商業高校を出ている人や企業で経理をしていた人もいます。当人が「会計音痴」でも従業員には日商簿記一級に合格した人も、元銀行員の人もいます。「まったく疑うことなく」とは、いったいどんなデータに基づくものでしょう。この業界の問題はしばしば新聞などでも報じられ、裁判もいくつも起こされています。専門家ではなくとも、そういう報道に接していれば、企業の言うことを「まったく」疑わない人がほとんどとは書けないはずです。
実は、筆者の言いたいことはこれとはまったく逆です。その業界での会計制度が一般的な会計処理とはかけ離れており、会計士や弁護士などの専門家ですら首をひねる内容であり、であるから経理部署とは縁がない大多数のサラリーマンにはなおさら理解できない不明瞭なものである、ということを主張しているのです。でも、表現が悪いのでこんなになっちゃうのです。
ちょっと上の一文を推敲してみましょう。
「脱サラ
↓
「脱サラして加盟する方は経理や会計に詳しい人ばかりでなく、本部企業が示す予想損益書を鵜呑みにしがちで……(後略)」
どうです?ちょっと手を加えるだけですっきりしたでしょう。
同書の筆者二名はこの問題を何年にもわたって追い続けており、スポンサーである企業の不正を報道しないマスメディアに代わって広く世に訴えようという努力は非常に素晴らしいものです。特に一人は当事者だった人でもあり、企業から告訴されたり嫌がらせを受けたりしながらも被害者の会を作ったりして精力的に活動しています。
しかしながら、その内容と、表現されたものは別です。せっかくの努力も、表現の仕方が悪ければ、受け入れられませんし、逆効果を招きかねません。
この場合は、せめてもうひとりの編集者やゴーストライターを付けられなかったのかと惜しくなります。専門領域に詳しくなくとも、日本語表記の基本的な部分だけでも直していれば、もう少しマシなものとなり、この問題の基本書として困っている人の手にも渡り、一般にも受け入れられたかもしれなかったのに、と思うのです。
そんなわけで私はしばらくこの悪文と格闘することになります。ああ、怒りのあまり頭が熱を持って余計に暑くなりそうだな。